知恵の経営

第38回

お困り事解決で市場開拓

アタックスグループ 2015年10月7日
 

 名証セントレックスに昨年上場した日本PCサービスの家喜信行社長と「トップセールスから“上場企業経営者”となるまでの成功秘話」という対談を行った。個人宅のパソコンのトラブル解決を手掛け、ホームネットワーク事業にも進出した。この事例から成功法則を考える。

 2001年の創業以前、家喜社長はパソコンソフト販売の営業マンで、成績は常にトップだったが方針の違いから退社した。当時、顧客からネットワーク接続や他社製品の修理を頼まれたが、自社製品の販売があり、要望に応えられなかった。この経験から事業を始めた。

 しかし2年間採算が合わず資金繰りに困窮した家喜社長は、パソコンのトラブル解決の顧客に絞り、個人向け訪問サービスの企業と提携することを思い立つ。掃除代行など片っ端から提案書を送付。運よく水回りなどのトラブルを解決するジャパンベストレスキューシステム(JBR)と提携し危機を脱した。

 その後は持ち前の営業力を発揮。パソコン総合サービス(機器の設定とトラブル対応)で大手パソコンメーカー、家電量販店をはじめ約400社と提携している。パソコンの修理・トラブル解決サービスは「電気・ガス・水道」に続く第4の生活インフラを支える事業に変身し始めた。最近は積水ハウスと家庭用エネルギー管理システム(HEMS)のトラブルに対応する、ホームネットワークサービスもスタートさせた。

 家喜社長は上場を機に企業理念を「一人一人のお客様に最適なスマートライフを!」に改めた。この理念は全社員に「しっくり来ている」という。他社と差別化するため、正社員で多くの直営店舗を展開し、即日訪問、365日無休体制をとっている。一方で、業界動向に乗り技術進歩の流れに乗ることがきわめて重要という。海外進出も視野にシンガポール子会社を設立し、アジア展開の調査も始めている。

 訪問サービスは85%で、大半がコールセンター経由の緊急駆け付けサポートだ。社員が一般家庭を訪問するため、フィールドサポートをする社員のレベルアップには大変気を使っている。全員がホスピタリティー(顧客への思いやり)のある集団であることが必要で、採用面談と入社研修に力を入れている。

 同社の成功法則は、まず、顧客視点。誰を顧客とし、何を提供するのか、顧客が認める価値は何かを考え抜くこと。2つ目は競争力を何に求め、何を強化するか。最後は経営者のガンバリズム(やり抜く力)だ。

 読者の参考になればと思う。

<執筆>
アタックスグループ主席コンサルタント・丸山弘昭
2015年9月30日「フジサンケイビジネスアイ」掲載
 
 

プロフィール

アタックスグループ

顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。

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