知恵の経営

第93回

皆が善くなる「皆善」活動

アタックスグループ 2016年11月16日
 
 今回は国産はちみつやはちみつ漬けなど、はちみつ製品を扱う長坂養蜂場(静岡県浜松市)を取り上げる。

 先日同社を訪れ、長坂善人社長に話を聞いた。同社は、善人氏の祖父で創業者の喜平氏が、1935年に自身の体質の弱さを蜂蜜の栄養によって回復したのをきっかけに、他の人の健康も願って創業した。善人氏の父である光男氏が2代目、そして2013年に、善人氏が3代目社長に就任した。

 善人氏が重点的に取り組み続けるのが、ぬくもりある会社づくりだ。というのも、自身が社長に就任した際、売り上げという目に見える結果を求めすぎるあまりに、社員への思いをないがしろにして、会社と社員が疲弊してしまった苦い経験があるからだ。

 善人氏は「社員のペースも考えず、ひたすら働いていたら温かみもなくなり、何のために仕事をやっているのか分からなくなってしまった」と、当時を振り返る。

 その後、自分の間違いに気づき、本当に働く仲間と何をやりたいのかを真剣に見つめ直し、これまであった理念を先代や先代の妻、社長、専務の4人で半年間かけて作り直した。それが現在の理念「ぬくもりある会社をつくりましょう」だ。

 この理念をつくりかえる中で、顧客と地域社会へぬくもりを発信するために、まず社内に気配り、心配り、思いやりの心があふれていなければならないと考え。皆善(かいぜん)活動を開始した。注目してほしいのは通常「改善」とするのをあえて「皆善」という字を使っている点だ。

 その理由を善人氏は「仕事のやりづらい点や業務効率向上という本来の改善活動を進めることで、自分だけがやりやすくなるのではなく、皆もやりやすくなることが大切だ」とした上で「皆善することで、気付く力や実行力などが身に付き、結果、会社や自分の成長にもつながり、それがお客さまへの良い対応にもつながる。皆が善くなる活動なので皆善とした」と説明してくれた。この皆善は同社のぶんぶんファミリー(社員)の行動指針25カ条の中にも明記されている。

 さらに、行動指針には「喜んでもらい隊」というものもあり、そこには、顧客やともに働く仲間の喜びを自分の喜びと感じられる、喜んでもらえる隊長を目指しましょうと明記されている。

 同社のぬくもりある会社づくりは現在進行形だが、皆が善くなる、ぬくもりある会社へと進んでいることだけは間違いないだろう。
<執筆>
アタックス研究員・坂本洋介
2016年11月16日フジサンケイビジネスアイ掲載





 
 

プロフィール

アタックスグループ

顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。

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