マネジメントを再考してみる 後編<上級マネジメント>

第1回

マネジメントの大改革を担当することになった

落藤 伸夫 2017年4月7日
 
「お久しぶりだな、中川部長。あれから5年くらい、経つのだろうか?」

「そんなになりますかね。私にとっては、つい2週間前のことのように思い出されます。」

「そうか。私も5年経ったとは思えないが、2週間とも思えないな。半年ぶりくらいのような気がするよ。」

「時間軸で言えば、2週間も6ヶ月も変わりないですよ。本当は5年も経っているのに、そんなに昔のこととは思えないのですから。」

「それだけ、お互いにとって、印象深い出来事だったと言えるのだろうな。」


現場マネジャーのマネジメント改革に取り組んだ

「私も、そう思います。私がなぜか人事畑の仕事をすることになって、それも最初の仕事が『現場マネジャーのマネジメントを改革する』ことだったのですから。」

「それで俺のところに、駆け込んできたんだったな。」

「あの時は、大変にお世話になりました。MCS(マネジメント・コントロール・システム)論をベースに現場マネジャーの仕事を再編成することによって、思った以上の成果をあげることができました。」

「俺も、組織戦略室は良い仕事をしたと思っているよ。」

「ありがとうございます。」

「その功績で、組織戦略室は組織戦略部に格上げになり、中川部長が初代部長になったのだからな。」

「本当に、三上本部長には頭が上がりません。おっと、取締役兼営業本部長でしたね。ここは三上取締役とお呼びすべきでした。」

「そんな。からかうなよ。」


経営戦略部の新たな仕事

「ところで、今日、中川部長を呼んだのは、他でもない。」

「私を営業に呼び戻してくれるのですか?それはありがたいですが、私も管理部門が長すぎてしまいました。今更の営業部門で、それも部長の重責を負えるとは思えません。」

「その逆だよ。組織戦略部の仕事を、頑張ってもらいたいんだ。俺の下で。」

「意味がよくわかりません。」

「営業本部の責任者として、俺は上層部に掛け合ったんだ。」

「上層部というと、社長や副社長、専務、常務ということですね。雲の上すぎて、私には想像もつきません。」

「そんな、お化けのように言うなよ。別に人間の種類が変わるという訳でもない。」

「そこで何を掛け合われたのですか?」

「営業本部のマネジメント体制を、俺の思ったように変えさせてもらう許可だよ。」

「ますます意味がわかりません。」


現場マネジメントの改善で見えてきたこと

「組織戦略室のおかげで、我が社の現場マネジメントはすごく良くなったと思う。」

「ありがとうございます。」

「そうなると、今度は、現場をマネジメントする上層部の方が気になるんだ。」

「どういうことですか?」

「営業本部には四人の営業部長がいる。ここがうまく機能してくれないんだ。」

「私から見ると、皆さん有能な方たちなんですけどね。でも、本部長もとい取締役のお眼鏡に適わないのなら、交代してもらうしかないのではないでしょうか?」

「いや、中川部長は正しいことを言っていると思うよ。彼らは決して無能ではない。というか、我が社でここまでのし上がってきたんだ。有能な男たちだ。」

「それなら何が問題なのですか?」


上級マネジメント・システムが問題

「マネジメント・システムだよ。部長の役割が何なのか、部長はどうやって仕事していくのか、そこの定義がダメなんだ。」

「現場マネジメントの時と、同じ雲行きですね。」

「そうなんだ。」

「それで今度は、MCSの考えに基づいて部長のマネジメントを考え直せと言われるのですね。」

「そうなんだ。あえて言えば、部長のマネジメントだけでなく、現場マネジャーを統括する上級マネジャーが行うマネジメントなんだけどな。」

「すごいことになりましたね。私に、それができるのでしょうか?」

「だから前と同じように、俺が中川部長にレクチャーする。それでもって、仕組み作りをして欲しいんだ。」

「その質問、イヤと言う余地はないのでしょう?」

「イヤ、ないとは言えない。ただ、そうなると中川部長が組織戦略部にいる根拠がなくなってしまうだろうけれど。」

「それを『イヤと言う余地はない』と言うのですよ。」

「今のはイエスという返事だと受け取って、良いのだろうな。」

「いやはや、もう、三上取締役は課長の頃から何も変わっていないのですね。」

「そうだよ。人はそう簡単に変わるものではないんだ。」
 
 
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プロフィール

StrateCutions
代表 落藤 伸夫

昨年まで、現場マネジャーが行うマネジメントについて、世界標準のマネジメント理論である「MCS(マネジメント・コントロール・システム)論」をベースに考えてきました。日本では「マネジメント」について省みることがほとんどないようですが、世界では「マネジメントとはこういうものだ」という姿がきちんと描かれていて、それを学ぶように促されています。日本のホワイトカラーの生産性が低迷している原因は、もしかしたら、このあたりにあるのかもしれません。

昨年度は約1年かけて、現場マネジャーのマネジメントについて考えてきました。現場マネジャーは、現場で働く人たちが高いパフォーマンスをあげられるよう促すマネジメントを行なっています。一方で現場マネジャーも、マネジメントを受けます。現場マネジャーが行うマネジメントが現場の力をあますところなく引き出しているか、企業として目指す方針や戦略を実現できるよう導いているかという観点でのマネジメントを必要としているのです。

今年度は、連続コラム「マネジメントを再考してみる」の後編として、上級マネジメント(上級マネジャーの行うマネジメント)についてMCS論をベースに考えます。上級マネジャーがどんな役割を担っているか、それをどのように果たしていくかについて、体系的にご説明します。 企業パフォーマンスを向上させる世界標準のマネジメントに関する解説は、日本初の試みです。是非、お楽しみください。

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