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リグニン利用の高付加価値化学品は2021年時期に商用化の見込み

#環境・エネルギー・エコ #バイオ #海外・グローバル

【プレスリリース】
リグニン利用の高付加価値化学品は2021年時期に商用化の見込み(ラックスリサーチ調べ)

セルロース系原料利用が増加する中リグニンの供給量が増加、13の化学品のみでも2420億ドルの市場となる見込み


2014年7月16日 – リグノセルロースの構成物質であるリグニンはセルロース処理の際に入手可能な副産物ですが、先端技術を専門とする米調査会社ラックスリサーチ(本社:米国ボストン)の調べによると、リグニン利用の13の化学品のみでも2420億ドル規模の市場へと成長する可能性があることが分かりました。しかし原料供給増加の中、BTX(ベンゼン、トルエン、キシレンの合成物)、シクロヘキサノールなどのリグニンを主成分とする化学品は商用化に遅れをとっています。

リグニンは主にパルプ・製紙産業にて5000万メトリックトンが生産され、そのほぼすべてが燃料へと利用されています。そのため、化学品市場に流通するのは100万メトリックトンのみで市場規模は限定的です。しかし、今後、パルプ・製紙産業以外からのリグニン生産量の増加が予想されています。リグノセルロース利用の燃料のみでも2017年までに290万メトリックトンへと増加が予想されており、高付加価値化学品製造に大きな事業機会をもたらします。

ラックスリサーチのアナリスト、ジュリア・アレンは、『未活用の価値を引き出す:リグニンの高付加価値化学品製造への利用(“Finding Untapped Value: Converting Lignin to Higher Value Chemicals”)』にて、次のように指摘しています。

『リグニンを用いることで直鎖状、環式、芳香族の化学品の製造が可能であり、リグニン利用の化学品の市場規模は1000万ドル規模のものから1000億ドル規模のものまで、幅広い事業機会を提供します。しかしながら、高付加価値化学品の生産においては、原材料が均一性を欠く点への対応や、リグニン分離、解重合、成分抽出など技術的な課題を克服していく必要があります。』

ラックスリサーチではリグニン処理技術を調査し、リグニン利用の高付加価値化学品の市場規模の予測を行いました。以下が調査結果の一部です。

• リグニン利用の高付加価値化学品は2021年に商用化される見込み。ラックスリサーチによる独自の商用化時期分析ツールを元に予測したところ、リグニン利用の化学品の商用化はポリ乳酸が要した期間に18年遅れると予想されます。特許申請は2018年から2019年時期にかけて多く見られ、実際の商用化は2021年時期と見込まれます。

• 熱処理が短期的には最良の方法。リグニンをより小さい化学成分へと分解する方法は熱処理、化学処理、金属製触媒処理、バイオ処理の4種類あります。化学品ではなく燃料利用が中心ですが、熱分解などによる熱解重合は最も技術的に確立されています。完全な化学処理の利用は限定的で金属製触媒処理はスケール的には最大でありつつも技術的な課題が残されています。バイオ処理は商用化が遅れています。

• 広く事業機会が存在。2006年から2007年の特許申請の波に加え、2018年から2019年の時期に2度目の特許申請の波が訪れることが予想されており、リグニンからの高価値化学品生産を目指す研究機関や企業には事業機会が訪れます。提携先としてはAnnikki社、Biome Bioplastics社、Vertichem社など、また研究機関としてはシャーブルック大学(カナダ)や東北大学などが特に注目に値します。


『未活用の価値を引き出す:リグニンの高付加価値化学品製造への利用(“Finding Untapped Value: Converting Lignin to Higher Value Chemicals”)』はラックスリサーチの『バイオ素材・バイオケミカル』インテリジェンスサービスにて提供しております。

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ラックスリサーチは独自の研究と世界に広がるネットワークを駆使し、最先端技術分野における技術・市場動向調査を実施しています。世界中で研究開発に注力するトッププレイヤーに対し、オープンイノベーションおよびテクノロジースカウティングの実現をサポートしています。
詳細については、弊社ホームページ(www.luxresearchinc.com)をご覧ください。


【本プレスリリースに関するお問い合わせ】

ラックスリサーチ
戸口 久子
hisako.toguchi@luxresearchinc.com


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