ネット中傷・風評の対策サービス提供

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ネクストリンク・大和田渉社長

 インターネット上で誹謗(ひぼう)中傷や風評被害に遭う企業が増える中、2009年から対策サービスを提供しているネクストリンク。累計の対策実績は1000件にのぼり、日を追うごとに増えている。大和田渉社長は「こうした被害に対する経営者の防衛意識がまだまだ低い。経営リスクとしてはっきり把握する必要がある」と警鐘を鳴らす。

 --対策サービスの内容は

 「問題のある情報を削除する手段がある場合には削除し、削除できなかったり、削除するとかえって状況が悪化する場合は、検索結果の下位になるよう薄め、目に触れにくくする。正確にいえば、正しい情報が掲載されたサイトを上位に引き上げることで、相対的に順位を下げている」

 --被害は増えているのか

 「最近になって急に増えたわけではないが、ブログやツイッターの登場以降、ネットへの参加人口が増え、書き込み手段が多様化している。誹謗中傷や風評被害だけでなく、製品原価や取引先情報、全従業員の給料が漏れている例もある。中小企業やネットと関連が薄い企業がこうした危険にさらされやすく、悪い評判に限れば同族企業や非正規社員の多い企業、ブラック企業が対象になりやすい傾向はある。ただ、誹謗中傷や情報漏れのリスクは全企業が抱えているといってよく、大企業といえども無縁ではない」

 --企業側はこうしたリスクを自覚しているのか

 「経営者300人を対象に調査したところ、実に7割がネット上の自社の評判をチェックしていないとの結果が出た。ネット上で会社がどういわれているか知らないとの答えも5割を超えた。評判を意識していない理由は、気が回らず、優先順位が低いままになっているからだ。ネットの情報を常時モニタリングしていれば発見できるのに、漏れないと楽観的に考えすぎている。世間の意識が低い分、対策サービスの潜在市場は大きいといえる」

 --対策サービスを始めた経緯は

 「もともとネット広告や(顧客のサイトが)ネット検索の上位に表示されるようにするSEOサービスを提供していた。そのとき顧客からネットで誹謗中傷を書かれ、広告の効果が低下して困っているとの相談を受けたのが、対策サービスを始めたきっかけだ。対策をとってみたところ、うまくいき、広告効果も回復したことから始めた」

 --新サービスを準備中だ

 「これまでは問題が生じた後の対策しか提供してこなかったが、(事前対策として)自社の評判を把握するサービスを10月から始める。悪い情報が見つかった場合、対策するかどうかは自社で判断してもらう。対策を含めないのは、顧客が自己解決できる場合もあるからだ。料金は月2万円からと安く抑えたい。最終目標は、企業にとって正確で公正な情報が提供されている状態を保持すること。その意味で、取り組みは緒に就いたばかりだ」(井田通人)

【プロフィル】大和田渉
 おおわだ・あゆむ 1999年光通信入社。2006年アドリンクを設立、社長に就任。13年1月ネクストリンクに社名変更。34歳。東京都出身。
                   ◇
【会社概要】ネクストリンク
 ▽本社=東京都豊島区池袋2-68-9 池袋MIBビル7階
 ▽設立=2006年4月
 ▽資本金=1600万円
 ▽従業員=約20人
 ▽事業内容=インターネット上の誹謗中傷対策サービス

『フジサンケイビジネスアイ』

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