【35歳からの転職ウラ事情】(10)情報乱立、求められる「活用力」

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□ルーセントドアーズ社長・黒田真行氏

日本の転職支援サービスは、今から40年前、1975年3月に発行された「就職ジャーナル別冊・就職情報普及版」(リクルート)という一冊の情報誌によって幕が開かれた。同年6月12日に「就職情報(隔週刊)」となり、それが現在の転職サイト「リクナビNEXT」の源流となっている。

それ以前の転職の情報源は、主に新聞広告が担っていたが、ほとんどが「営業正社員募集 委細面談」という3行広告で、給与はもちろん、仕事内容や休日ですら「面接に行ってみるまで分からない」という状況。新卒就職支援サービスが明るく光り輝く中で、転職情報誌にかかわる人々は「なぜ会社を辞めただけで“脱落者”扱いされなければいけないのか? 堂々とやり直せる社会を、明るく転職ができる社会をつくりたい」という思いで、サービスを磨き上げていったといいます。

そして40年。ちまたには、転職サイトや人材紹介、人材派遣、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用したサービスなど、選択肢があふれ、ITを活用した便利な機能も充実し、「暗い転職」というムードは吹き飛んでいるようになっています。

ただ、現実には見えない「負のイメージ」は、数多く潜んでいます。中でも、「何社応募しても、書類選考すら通過しない」という問題は、当事者にとっては非常につらいものです。結局は、需給バランス(スキル・経験と求人数)の問題なのですが、現時点の求人市場の好調期(実際、求人件数はバブル期以来の沸騰ぶりです)においても、年齢や学歴、経験や過去の転職回数によっては「なかなか就業できない」「仕事を選べない」という属性は多数存在しています。

転職サイト「DODA」の発表した最新の転職白書では、転職者における35歳以下の若い世代の割合が減り続けているのに対して、35歳以上のミドル世代が増加していてミドルにとっては歓迎できる状況です。しかし、「25~29歳」と「35~39歳」世代を比較すると、まだ2倍以上の開きがあるのが現実です。

数多くのサービスが乱立し、飛び交う情報も増加する一方の中で、限られた転職活動の時間を、いかに周囲に振り回されずに有効に使うか。特にミドル世代には、活動方法そのものに新たなリテラシー(情報活用力)が求められています。

これから転職活動をするという方には、ネット上で閲覧できる厚生労働省の「雇用動向調査」やワークス研究所「雇用の現状」などの統計資料に目を通してみることをお勧めします。自分のいる業界や地域がどんな状況なのか、データからヒントが見つかるかもしれません。

                  ◇

【プロフィル】黒田真行

くろだ・まさゆき 1989年リクルート入社。約30年にわたり転職・中途採用サービスの企画に関わる。2006年から8年間「リクナビNEXT」編集長。14年にルーセントドアーズを設立し、日本初のミドル向け転職サービス「Career Release40」(http://lucentdoors.co.jp/cr40/index.html)を提供している。

「フジサンケイビジネスアイ」

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