デジタル・オンデマンド印刷で小ロット出版

販促用の小冊子や分厚い専門書などさまざまな印刷に対応できる

出版業界に特化したシステムを提供しているが、年々小ロット・低コストの出版が求められており、POD（オンデマンド印刷）事業への期待が大きい。そこで同社は印刷会社、印刷機器メーカー、流通、システムなど各業界のプロフェッショナル企業が協業で行うサプライチェーンを構築し、「デジタル・オンデマンド出版センター」を開設した。これにより最新のデジタル印刷技術を駆使し、書籍の内容、部数、納品日に合わせて、適切な印刷方式に対応する体制を整えることができた。

これまでPODの主流であったシート式トナー印刷機だけではなく、最新鋭のロール式インクジェット印刷機を活用。小ロットの出版でも、まとめて束ねるJOBギャンギングと言われる付け合せ印刷方法により高品質、低コストも実現した。さらに複数の出版社の注文をまとめることにより、10冊からの低コスト印刷も可能にした。また、ペーパーバックだけでなく、通常の書店流通に合わせたカバー・スリップつきのハイブリッド出版も新たに開発し、ユーザーの要望に応えている。

今後は、これまで品切れ本の復刊の用途として用いられることが主であったPODを、ハイブリッド出版などで、新刊や重版の方法としても提案していく予定だ。大量の出版に適したオフセット印刷と少量で刻んでいくPODを併用することによって、これまでコストが合わずにあきらめていた出版も可能になり、出版業界の長年の懸案であった、高い返品率の改善や、読者が読みたくても入手することができない品切れ本の減少が期待できる。いつでも小ロットで出版できる環境を完備することで「在庫ゼロ、品切れゼロ」を目指していく。

「フジサンケイビジネスアイ」