思い出の写真、家族でいつも共有
あのころコミュニケーションズは、クラウドと連携したフォトブックでムービー再生や写真検索、枚数無制限で追加できるサービス「あのころ再生アルバム」を10月から開始した。スマートフォンが、カメラとして家族一人に1台ある状況で、それぞれの思い出の写真が家族間で共有されず、間違って消されることもある。新サービスはこうした写真の喪失を防ぎ、いつも家族が楽しめるようにした。
開発のヒントは、東京都世田谷区在住の富永勝彦氏(64)が長年の海外赴任から帰国し、定年退職を機に名刺や書類などの整理を始めたことだ。約3500枚の古い写真があり、同社の「写真デジタル化サービス」で紙焼き写真をデジタル化してタブレットに取り込み、自身の結婚や子供の成長記録などカテゴリー別に写真を仕分けした。デジタル化した写真からベストショットを選び、フォトブック(写真アルバム)が簡単にできるサービスも利用した。80代の両親に孫からのプレゼントとして3冊作成。両親は大変喜んだという。
富永氏のような例は多く、同社は、数十ページのフォトブックで数千枚分の家族の思い出を引き継ぎ、孫世代も楽しめるサービスの可能性に気付き、「あのころ再生アルバム」を開発した。
“スマホ世代”孫も家族アルバムに興味をもてるよう工夫された「あのころ再生アルバム
家族だけが持つフォトブックには、各ページにQRコードが印刷してある。一方、カテゴリー分けした写真データは、クラウドサーバーのフォルダーに保存し、QRコードにひも付けをする。
フォトブックのQRコードをスマホのカメラで読み取ると、ムービー再生や写真検索ができる。サービスは家族などフォトブックを持つ人だけが使える。
写真デジタル化からクラウド連携フォトブックまでのワンストップサービスで、将来の子供の結婚式や孫の写真や動画も増やせるため、スマホ世代の孫も家族アルバムに興味をもってもらえると、同社ではみている。
また、団塊世代の顧客を囲い込みたい企業がサービスの一環として利用すれば、家族写真を整理する中で顧客との信頼関係を築き、潜在ニーズを知ることもできる。基本価格は6万4800円(税別)。今後3年間で5000人の利用を目指す。
さらに、同社はあふれるスマホ写真の整理用に「クラウド連携手帳サービス」の開発も進めている。
【会社概要】あのころコミュニケーションズ
▽本社=東京都豊島区東池袋3-7-9 AS ONE東池袋ビル3階
▽設立=2015年5月
▽資本金=400万円
▽事業内容=シニア向け教育支援サービス
「フジサンケイビジネスアイ」