早稲田大学発の環境ベンチャー企業である早稲田環境研究所(東京都新宿区)は、今年8月下旬にリリースした「WEI研究レポート」 のラインナップを強化する。
同レポートは専門家向けで、環境・エネルギー分野を専攻している大学院生、同分野でビジネスを手がける企業の技術者・研究者、一般企業の環境・省エネ関連部署の実務担当者、行政機関職員などが主な読者対象。これまでエネルギーマネジメントをテーマに、2冊のレポートを出版している。
同レポートの第1弾となる「民生・業務施設等におけるエネルギーシステムの実測評価に関する研究」では、病院、ホテル、オフィスビル、食品スーパー、環境共生住宅におけるエネルギーシステム構築に関する研究事例を収録。コジェネレーションや省エネ化事例に加え、エネルギーモニタリングおよびCO2削減効果の実測評価について、設備・システム設計の参考になる詳細なデータを掲載。
あわせて節電、省エネ、CO2削減、コスト削減のバランスの取れたエネルギーマネジメントの大切さを指摘している。今年4月に施行された「改正省エネ法」への対応の参考にもなりそうだ。
また第2弾の「再生可能エネルギーの熱利用に関する技術開発・実証研究」では、太陽熱と木質バイオマスを中心に、再生可能エネルギーの熱利用に関する技術・システムの研究事例を掲載。電力一辺倒に傾きがちな再生可能エネルギーの利用のあり方に、一石を投じている。
同社は、埼玉県秩父市およびその周辺地域で行われている、「木質バイオマスを原料とするバイオオイルの製造およびその利用技術に関する研究」などを手がけており、同分野に造詣が深い。同レポートには、バイオオイルとC重油との混焼実験や既存のガス化炉を利用したバイオオイル供給システムの概要、バイオオイルの全国への普及シナリオなどの研究成果が掲載されており、詳細な実測データ等を収録したCD-ROMも付属する。
両レポートともに価格は3万1500 円(税込)で、同社ホームページからのオーダーも可能。同社では2、3カ月に1冊のペースで新刊レポートをリリースしていく計画だ。
早稲田大学環境総合研究センター准教授も務める早稲田環境研究所の小野田弘士取締役会長は、「私たちが早稲田大学で培ってきた研究成果を社会に還元することを目的に、2003年に当社を設立しました。今後、東京都墨田区で実証試験を行ってきたULV(超軽量電気自動車)や自動車部品リサイクル分野など、当社の持つノウハウを、広く提供していきたいですね」と抱負を語る。
【問い合わせ先】
(株)早稲田環境研究所●〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-18-20 ECORICH高田馬場8階●TEL:03-5272-6326 FAX:03-6223-9205●http://e-wei.co.jp/
「フジサンケイビジネスアイ」