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株式会社リベルタ 代表取締役 永倉尚樹氏
SNSやLINEを使って賃貸物件選びを効率化

取材日:2013年10月17日


株式会社リベルタ 代表取締役 永倉尚樹氏

事業についてお聞かせください
不動産屋のほとんどは、人通りの多い道路に面した1階に店舗を構えます。そして駅前でチラシを配ったり、窓に物件案内を貼ったり。最近では不動産ポータルサイトに掲載している店舗も多くなってきています。そんな不動産業界ではめずらしく、当社はビルの1階ではなく3階に、店舗ではなく事務所を構えています。店舗が1階にあると、物件案内を見てフラリと入ってくるお客様が期待できます。その反面タイミングが悪いと他のお客様への対応が優先されて、満足のいく対応がしてもらえない、できないというデメリットが発生します。

これでは良い物件を探したいお客様と、同じく良い物件を紹介したい私たちにとってはあまり良いとは言えません。そこでお互いに効率的な方法として、当社は完全予約制で事務所にお越しいただいたり、現地で待ち合わせをしたりして、物件の紹介をさせていただいております。

商品・サービス内容
物件を紹介してその仲介手数料や大家さんからの広告料をいただく。当社も他の不動産屋と同じビジネスモデルになりますが、物件を紹介するまでの流れに、大きな違いがあります。
インターネット上のコミュニティーサービスFaceBook(http://www.facebook.com/liberta2082)やmixiなどのSNSを中心に、お客様が本当に知りたい情報を発信していくことで当社のことを知ってもらいます。発信する情報は物件中心ではなく、物件を探す際に役に立つ情報を中心にしています。売りたい物件の情報(間取りや価格)をドンドン提供していくのではなく、例えば「不動産屋さんはどう選べばいいのか」や「どんな物件がお得か」「初期費用が安いと退去のときにお金をたくさん請求されてしまうのか」など不動産業界の知識や押さえておきたいポイントが中心です。
そこでご縁をいただき、さらに直接お会いする前に、電話やメール、最近ですとLINE(http://lineat.jp/design2082)などお客様が希望される手段で、ご希望の条件をじっくりお聞かせいただきます。特にLINEはこちらの顔を見ていただくこともできるので、早く信頼・信用いただくには効果的で、特に2~30代の皆さまにはLINEでのコミュニケーションがマッチしているように思います。
SNSへの投稿できっかけを作り、LINEで事前にきちんとコミュニケーションを取り、関係性を深め、ご希望に合う物件を完全予約制でご案内する。この点が当社の特徴になります。
起業のきっかけ
なかなか気に入った物件に出会えなかった自分の経験がこの事業を始めるきっかけとなっています。
当時は高校生のころからはじめたアパレルやアクセサリーなどを仕入れてインターネットで売るといった商売を個人事業主としてやっていました。
探し出す前は、家や部屋にはまったく興味がなかったのですが、1度探し始めると止まらなくなってしまって、いろんなマンションをもっと見たいと思ってもなかなか良い物件が見られない。そんな中、自分が気に入ったデザイナーズマンションを手がける建築事務所に何度か問合わせをしているうちに、事業のお手伝いをさせていただくご縁ができました。
設計部門のお手伝いから始まって、不動産投資の得意としているネットプロモーションをまかされるようになりました。その後、きっかけは自分の物件を探すことが目的だったので、自分で集客して自分で稼ぎますと宣言して、賃貸部門の立ち上げとその業務を自分にやらせて欲しいという提案をきっかけに賃貸物件の紹介を始めました。
不動産営業の経験がまったくなかったので、最初の半年くらいは集客が出来ても契約に至ることはなかったですね。
ご希望の物件を紹介できなかったのではなく、紹介できていても説得力が弱かったり、良い物件だと信念を持ってお勧めできなかったりというような経験不足が原因だったと今では思います。
そんな経験が重なるうちに、契約が取れるようになって、友人や大学の後輩からのつてで良い物件あったら紹介して欲しいという依頼が増え始めました。
その時に、自分が知りたかったような情報を発信するコミュニティーを作れば、お客様を集められるのではと考え、実際にSNSでの情報提供をはじめたところ、コミュニティーにユーザーの皆さまが集まり始めました。また、定期的に紹介いただいている何人かの知人からの、私の事務所があればもっとお客さんを連れて行きやすいという声の後押しもあって、2013年の法人化にまでつながっています。
『デザイン不動産』はSNSで運営していたインターネット上のコミュニティー名からきています。
事業の特徴
当社は、実際にお会いする際には希望条件のヒアリングが済んでいて、実際の物件紹介からスタートします。一般的なケースですと、しっかりとしたコミュニケーションが取れる前に、お客様が記入した条件に合わせた物件紹介になります。そのため外せないポイントが明確にならないまま物件のはしごをしたり、違う不動産屋でも同じ物件を紹介されたりする結果になりがちです。
もちろん予算の中でというしばりはありますが、お客様の最優先ニーズ、外してはいけない条件を汲み取った上でお会いし、物件を見ていただくので、お客様にとりましては非常に効率的ではないかと思っています。
最近はご依頼が増え、対応しきれないといううれしい状況にあります。以前、事業の拡大を目指してスタッフを増やしたことがあったのですが、お客さまと直接LINEでコンタクトを取ることもあるので、コミュニケーションがとても難しく、まかせ切れないという部分が出てきてしまいました。
仕事があるからと人を雇えば成果が上がるというわけではないという経験もあって、今は事業の拡大を目指すのではなく、丁寧な接客が提供できる範囲での営業をしています。流れ作業で物件を紹介するのではなく、1人1人個別で家庭教師をするイメージですね。
今後の展開
今は希望する物件になかなか巡り会えないという現状があるかと思います。
お客様が希望する条件に合う物件をできるだけ多く紹介できる環境を作りたいという思いがあります。その取り組みの1つとして、実際に物件を紹介するまでに、コミュニケーションを密にして、本音や希望を聞き出すという今の事業を行っています。なかなかそうはいかない現状があるのですが、こういう考えの不動産屋が多くなって、お客様の条件にあった物件に少しでも出会いやすくなるようになるといいな、と思っています。

あとは、東京はもうそうなっているかもしれませんが、ここ大阪や地方で起業に向かってチャレンジする人が増えてくれると嬉しいですね。
私自身、不動産賃貸ビジネスを通じて、学生や社会人になりたての人と知り合う機会が多くあります。中には、起業のための勉強として、事務所に来てくれている人もいます。
この事務所をうまく利用して、起業する人が増えて若い人がお金を持つことで、時代を変えたり、社会の活性化、発展につながったりすると思っています。
私自身は、例えば不動産売買や不動産投資など、次の事業へと拡大したい気持ちもあるので、やる気や思いのある方がいれば、当社の取締役の座を射止める勢いでドンドン挑戦して欲しいですね。
この事業をフランチャイズ化していくよりも、引き継いでくれる人が育ってくれることを期待しています。
私がビジネスを進めていく過程で、起業を選ぶ若者が増え、日本が活性化されていく。そんなスタイルが理想の将来ですね。

略歴

株式会社リベルタ 代表取締役 永倉尚樹氏

大阪府生まれ。
アパレル通販の仕事を学生時代に起業。
その後、法律知識をつける為に行政書士を目指す。
行政書士受験生時代に、あるデザイナーズマンションシリーズを手掛けている一級建築士事務所の社長に出逢い、 建築デザインに興味をもち一級建築士事務所に弟子入り。
そこでデザイナーズマンションの企画、運営、投資の分野に携わる。
それと同時並行して賃貸部門を設け独学で学ぶ。
賃貸部門が徐々に軌道に乗り、分譲マンションを扱う不動産管理会社と提携し管理を学ぶ。
今後は不動産売買にも力を入れていきたいと考えております。

ホームページ:http://liberta2082.co.jp/index.html
facebookページ:http://www.facebook.com/liberta2082
LINE@公式アカウント:http://lineat.jp/design2082

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