セーラー万年筆株式会社(本社:東京都江東区毛利2-10-8 代表取締役:中島義雄、以下「当社」)は、当社の推進する環境対応事業の一環として日本治水株式会社(宮崎県東諸県郡綾町大字入野4409番地6 (注))との包括的事業提携により、新たに水処理装置事業に参入することと致しました。
1.新事業開始の趣旨
当社は従来より環境対応事業として赤外線を大幅にカットするガラス面塗料(スマートコート)の施工販売を進めて参りましたが、環境対応事業の一環としてこの度「水処理装置事業」に参入することと致しました。
日本の公共水道システムのレベルは国際的にも高水準にあることが知られていますが、一方で末端の一般住宅、ビル、マンション、医療機関、工場等に敷設された水道管など水処理装置の環境については多くの問題点が指摘されています。施設の老朽化などの原因で水道設備全体にサビや汚れなどの異物が蓄積し、水道管の故障や事故を引き起こして環境や人体に悪影響を及ぼす恐れが高いことがその代表例です。
こうした問題については、理解はされていても、特に大型施設の水道管を取り替える工事には多額の費用と長い工期が必要で、解決策の実行については先延ばしされることが多いのが実情でした。当社はここに潜在的な有望市場があると判断し、市場のニーズを調査するとともに商品化を準備して参りました。
もともと当社は1970年に工業用ロボットの製造販売を開始して以来、日本のロボット機器業界の草分けの一社として事業を継続・発展させて参りました。この機械装置メーカーとしての経験を生かし、施設の水環境を根本的に、かつ高いコストパフォーマンスで改善するシステムを検討した結果、今回の「アクアセーラー」の商品化に至りました。
2.新事業の内容
当社が販売する「アクアセーラー」は、水処理装置の専門メーカーである日本治水株式会社との包括的な事業提携で実現したものです。
日本治水は研究開発型のメーカーで、複数の大学と技術開発や学会発表を重ね、水道管のサビや汚れを防止し身体への安全性も高い水処理装置「エルセ」の開発に成功しました。この装置は、一般住宅をはじめ、ビル、マンション、病院、工場、鉄道車両など広範囲な分野の施設に実際に設置され、その性能と安全性が確認されています。
当社は日本治水と協議を重ね、性能や安全性について再検証するとともに価格やサービスについても再検討して「アクアセーラー」の商品化に至りました。当社は本商品の市場性が試験的な販売段階から今まさに普及段階に入ると判断しており、当社グループのリソースを結集して販売体制とアフターサービス体制の確立を急ぎます。
当社はマーケティングと販売を担当し、「アクアセーラー」の製造は日本治水が一貫して受け持ちます。顧客のニーズをきめ細かく反映し、顧客の規模や施設の特性に対応したアクアセーラーシリーズを、水処理装置のナンバーワンブランドに育成することを目指します。
3.「アクアセーラー」の概要
(1)アクアセーラーの特徴
アクアセーラーは、天然石を特殊加工して製造したセラミックに水道を通すことで、水を抗酸化する装置です。アクアセーラーを施設の水道の元栓に設置するだけで、施設全体の水道管のサビやスケール(炭酸カルシウム等)の付着を防ぎ、トイレの悪臭や汚れを予防し、台所のシンクも汚れにくくなります。電気も薬剤も使わずメンテナンスも不要なので、取り付け時のイニシャルコストだけで、ランニングコストは必要ありません。
導入すれば、多額の費用と長い工期が必要な水道管の取替えもほとんど必要なくなり、施設は清潔に保たれ、利用者も安全な水を使用することができるのがアクアセーラーの利点です。
(2)アクアセーラーの仕組み
アクアセーラーの技術のポイントは、天然石を安全な方法で加工した特殊なセラミックの粒にあります(日本治水が特許取得済)。このセラミックの粒が装置のなかで水道の水流により流動し、衝突・摩擦を繰り返すことで微弱な熱的・電気的エネルギーを発生させて水を活性化し、抗酸化性の高い水に変えます。活性化された抗酸化水は水道管のサビやスケール付着のもとになる酸化を防ぎ、悪臭や尿石など汚れの原因を取り除きます。
(3)アクアセーラーの想定ユーザー
アクアセーラーは水道を使用する全ての施設に有効ですが、特に配管が複雑な大型施設の場合、水道の元栓に取り付けることで配管全体のサビやスケールを防ぎ清潔に保つことができるため、導入のコストパフォーマンスが高くなります。需要が高く、過去実績のある設置先は以下の通りです。
○一般住宅、オフィスビル、マンション、病院、ホテル
○官公庁、学校、遊園地・公園、鉄道車両
○自動車工場・電機工場・精密機械工場、食品工場など
4.日程
販売開始期日 平成25年12月1日
5.今後の見通し
平成26年12月期において、「アクアセーラー」約3000台を目標に営業して参ります。
(注) 日本治水株式会社 設立1986年 資本金15,000千円 代表取締役 宮脇淳一
事業内容:特殊セラミックス製造販売業、水処理装置『エルセ』の製造・輸出及び国内販売、
水処理プラントの企画販売