コーティングはよりスマートに — センサーおよびダイナミックコーティングが最も有望
技術的課題を克服すれば、環境に対応可能な次世代コーティング技術は非常に大きなインパクトを与える(ラックスリサーチ調べ)
2015年7月21日 – 新エネルギー、素材・化学品、ライフサイエンス分野における先端技術を専門とする米調査会社ラックスリサーチ(本社:ボストン、社長:デニス・フィルビン、www.luxresearchinc.com)では先進コーティング技術に関する技術イノベーション動向調査を実施しました。
コーティングは保護的役割などの機能を提供しますが、次世代のコーティング技術は環境適応を可能とし、コーティングはより「スマート化」しています。この環境適応という新たな特性は非常に将来性が高く、防衛、航空から医療まで、幅広い産業に大きな影響を与えることになります。
ラックスリサーチのリサーチアソシエート、アンソニー・シアヴォは、『表面はよりスマート化が進む:有望な先進コーティング技術、市場および機能を特定する (“Surfaces Get Smarter: Scouting Emerging Coatings, Markets and Functionalities”)』と題した調査レポートにて次のように指摘しています。
『スマートコーティングの開発は進んでおり、これら新技術を利用することで今後より機能的で高性能の商品提供が可能になります。しかし現在も研究開発段階である技術も多く、商用化には技術的課題、事業化における課題の両方を克服していくことが重要となります。』
ラックスリサーチでは、機能性塗料およびスマートコーティング分野の技術動向、および技術開発者の調査を実施しました。以下が調査結果の一部です。
• 疎水性被膜では、提携およびスケール化が重要。疎水性被膜分野では突出した企業が出てきていますが、性能面での差別化というよりも、これら企業は外部企業との提携、および生産規模拡大に成功していることが特徴的です。自動車向けではNanogate Technologie社がトップ、ついでDiamon-Fusion社が成功しています。エレクトロニクス分野ではP2i社および HZOがトップ企業です。
• LiquiGlide社がリキッド・インフューズド・コーティングではトップ。リキッド・インフューズド・コーティングは低価格(平方米あたり1ドル以下)であることから注目されており、パッケージング分野に大きな影響を与えています。同分野ではLiquiGlide 社とSLIPS Technologies が主要なスタートアップ企業として挙げられ、両者とも同様の技術を提供していますが、より企業として成熟しておりElmer社との提携があることからLiquiGlide 社がトップと言えます。
• 自己修復型コーティングは未だに不振。自己修復型コーティング市場は低迷していますが、市場ニーズおよび特許申請数から見ると将来性が高いと言えます。自己修復型コーティングを利用した主な商品としては日産自動車(車体向け塗装として利用)、LGエレクトロニクスのスマートフォンG Flex 2が挙げられます。
『表面はよりスマート化が進む:有望な先進コーティング技術、市場および機能を特定する(“Surfaces Get Smarter: Scouting Emerging Coatings, Markets and Functionalities”)』レポートはラックスリサーチの『Advanced Materials』インテリジェンスサービスにて提供しております。
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戸口 久子
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