「相談しやすい身近な行政書士を目指したい」と語る角野浩代表(右)
ホテルやオフィスビル、マンション、飲食店が立ち並び、にぎわいをみせる新大阪(大阪市淀川区)。JR新大阪駅からほど近いビルの一室にアイリス行政書士法人がある。アイリスとはギリシャ語で「虹」の意味。代表を務める角野浩氏が「顧客と依頼された案件との懸け橋になりたい」との思いで命名した。
◆得意分野に注力
1997年に自宅兼事務所として「角野行政事務所」を開業したのが事業の始まり。今年創業20年を迎える。当初は飛び込み営業や電話帖をめくりながらの訪問営業で、事務所を知ってもらうための「チラシ配布に明け暮れる日々だった」と角野代表は振り返る。
その後、将来の飛躍を期して法人を設立したのが2008年。世界的な金融危機リーマン・ショックが発生した年だった。経営も厳しくなったが、それを乗り越えられたのは、業務を得意分野に特化したことが大きい。
行政書士の仕事は、国家資格者として顧客の依頼を受け、会社設立の手続きや許認可などの申請書類の作成し、役所に提出するのが基本だ。作成する書類の多くが許認可に関する。その数は1万種類を超えるといわれ、業務は多岐にわたる。
法人を設立した当時は、顧客から依頼された会計記帳の業務を他の社員に任せ、外部に委託していた。これが費用増加の原因となっており、「自分が得意とする分野に注力することが大切」(角野代表)と気づいた。
同時に、安定した業務を行うため顧問企業の開拓に力を注いだ。顧客から継続して業務依頼を受けるため、良好な人間関係を築くことに心を砕いた。
アイリス行政書士法人が得意とする業務は、外国人に関する支援と会社設立や独立のための支援、そして事業に必要な許認可の支援など。
外国人に関する支援は、企業が外国人を雇い入れる際の在留資格や許可といった入管手続きに関する書類作成から、入国管理局への申請にいたるまでサポートしている。
また、会社設立から設立後の会計記帳や会社法務、総務などの業務支援のほか、各種事業を始めるための行政官庁への許可、認可手続きの代行業務にも力を入れている。
今後も外国人に関する業務支援を拡大していく方針だ。とくに少子高齢化を反映し、外国人技能実習生事業に関する問い合わせが多い。この業務には事業協同組合の設立が必要なほか、実習生に対する入管法や労働法の講習などさまざまな業務の支援が求められており、こうしたニーズに対応できる自信がある。
◆手書き礼状欠かさず
創業以来続けてきたのが、報酬を得たときに必ず手書きの礼状を送ること。顧客に役に立つ法務情報を掲載した「アイリス法令ニュース」も作成、配布している。
「行政書士はどの事務所も似たようなサービスを行っており、差別化しにくい」と指摘する角野代表だが、「今後も顧客のサポートに徹し、取引先のビジネス拡大に貢献していきたい」と意気込んでいる。
■会社概要
本社:大阪市淀川区西中島5-13-24-503
電話:06-6889-6018
創業:1997年8月
設立:2008年4月
事業内容:入管等外国人各種手続き、建設業許可申請、会社設立・独立事業支援、事業に必要な許認可取得サポート、契約書など書類作成、各種手続きなど
「フジサンケイビジネスアイ」