2021年3月1日(月)、中小企業施策の総合的な実施機関である独立行政法人中小企業基盤整備機構が、「Japan Venture Awards2021」の表彰式を開催しました。今回表彰された13人の起業家を紹介します。
JAPAN VENTURE AWARDS とは
Japan Venture Awardsは、革新的かつ潜在成長力の高い事業や、社会的課題の解決に資する事業を行う、志の高いベンチャー企業の経営者を称える表彰制度です。
創業後概ね15年以内であり、高い志を持ち、自立する中小企業などの経営者又は代表者を対象に応募を受け付け、次なる日本のリーダーとして果敢に挑戦する起業家を、ロールモデルとして広く紹介することで、創業機運を高め、日本における創業の促進を図ります。
JVA2021 受賞者一覧
経済産業大臣賞
GROOVE X 株式会社 代表取締役社長 林要氏
【事業概要】
● ペットのように家族に寄り添う家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」の開発、製造、販売、サポート。
● 家庭向けの他、全国の保育・子ども園、小学校などの教育機関や企業法人、介護施設などに導入。
【受賞のポイント】
コンパニオンロボットという新たな市場と産業を開拓しグローバルな成長を目指す取り組み、グローバルマーケットを狙う日本発のスタートアップ輩出を図り、産業の新陳代謝を促進し日本を元気にする,というベンチャー企業経営者としての姿勢が高く評価された。
内閣府特命担当大臣(科学技術政策担当)賞
Heartseed株式会社 代表取締役CEO 福田恵一氏
【事業概要】
● 重症心不全向けの再生医療の開発。独自技術でiPS細胞から高純度の心筋細胞を作製、定着のしやすい微細心筋球の形で心臓に移植、心臓の収縮力の改善を目指す。
● 2021年から臨床試験をスタートし、2025年頃の上市を目指す。
【受賞のポイント】
世界の死因の第一位である心臓病、中でも重症心不全患者に対し心筋球を活用した再生医療による抜本的な根治手法を提供し、日本発の医療技術で世界に貢献することが期待される。また、大学教授兼ベンチャー経営者として、大学発ベンチャーの経営者のロールモデルとなることが高く評価された。
中小企業庁長官賞
株式会社アルム 代表取締役社長 坂野哲平氏
【事業概要】
● 医療関係者間コミュニケーションアプリ「Join」をはじめとする医療ICTソリューションの提供。
● また、日本国内・国外を問わず全ての医療機関を対象に、新型肺炎における診断精度向上などを目的とした教材として、医用画像ティーチングファイル集(症例集)を無償で提供するなど、新型コロナウイルスに対する医療機関への支援にも取り組む。
【受賞のポイント】
専門医同士のコミュニケーションをサポートするアプリケーションを提供し、世界22か国で医療ITインフラサービスを展開し、今後グローバルな成長が期待されること、またシリアルアントレプレナーとしての自身の経験を起業に活かした経営者の取組が高く評価された。
中小企業庁長官賞
株式会社RevComm 代表取締役 會田武史氏
【事業概要】
● 電話営業の自動文字起こし、会話内容の共有、AIによる音声解析機能を有するIP電話「MiiTel」を提供。
● 営業とコールセンターにおけるテレワーク化、トークの可視化とトークを振り返ることでセルフコーチングを実現する。
【受賞のポイント】
テレワーク・リモートワークによる新たな働き方が浸透しつつある中、音声解析AI付IP電話を提供。営業担当者のセルフコーチングによる生産性向上を図り日本の中小企業・ベンチャー企業のDX推進・生産性の向上への貢献が期待されることが高く評価された。
中小機構理事長賞
株式会社キャスター 代表取締役 中川祥太氏
【事業概要】
● オンラインアシスタントをはじめとした人材支援サービスを提供。
● フルリモートワークなど、職員それぞれに適した勤務形態を提供する組織を運営。
【受賞のポイント】
フルリモートワークを導入するなど、職員それぞれに適した勤務環境を提供。不稼働となっている労働力を掘り起こす事により、我が国の少子高齢化に伴う労働力不足に対するソリューションとなっている点が高く評価された。
中小機構理事長賞
株式会社オープンロジ 代表取締役社長 CEO 伊藤秀嗣氏
【事業概要】
● 荷主・物流会社をネットワーク化し、個別見積もり不要・従量課金で利用可能な物流フルフィルメントサービスを提供。
● 物流版AWS※を目指す。 ※AmazonWebServices
【受賞のポイント】
荷主・物流会社をネットワーク化し、個別見積もり不要・従量課金で利用可能な物流フルフィルメントサービスを提供。また、経営者のこれまでの現場経験に基づくシステム化により、自社、荷主、倉庫会社の3方面への高い満足度と成長の両立を実現した点が高く評価された。
JVA審査委員会特別賞
株式会社クラダシ 代表取締役社長 関藤竜也氏
【事業概要】
● 食品ロス削減に取り組む社会貢献型ショッピングサイト「KURADASHI」の運営。廃棄食材の流通を進め、フードロスの削減を目指す。
【受賞のポイント】
ECを通じてフードロスを削減するという高い社会性を有した事業を展開。SDGsへの貢献と同時にこれまで収益化が難しいといわれていた領域での成長が見込まれる点が高く評価された。
JVA審査委員会特別賞
エレファンテック株式会社 代表取締役 清水信哉氏
【事業概要】
● プリンテッドエレクトロニクスに基づき電子回路を製造する独自技術により、これまでよりけた違いに小さな資源・環境負荷で電子回路を製造。
【受賞のポイント】
環境負荷の高い電子回路製造プロセスを根本的に変える可能性を有した技術による電子回路の製造。大手企業とのパートナーシップなど経営者の戦略的な事業展開、大学発の研究成果を事業化する取組みが高く評価された。
JVA審査委員会特別賞
株式会社unerry 代表取締役CEO 内山英俊氏
【事業概要】
● 1.1億DLのアプリ、210万個のビーコンとIoT、月100億円のビッグデータで小売・流通・交通系企業等のOMO※マーケティングを支援。 ※Online Merges with Offline
【受賞のポイント】
IoTデータプラットフォームでモビリティやスマートシティ等の多様なサービスを大手企業と展開し、今後の成長が見込まれる点、感染症防止対策という観点における人流可視化への貢献が高く評価された。
JVA審査委員会特別賞
bitBiome株式会社 代表取締役社長CEO 藤岡直氏
【事業概要】
● 地球上のあらゆる微生物ゲノムを読み解き、産業応用を実現日本から世界へ
【受賞のポイント】
世界初の微生物を対象のシングルセルゲノム解析技術の成長可能性、有力VCのハンズオン支援を効果的に活用出来ており今後も事業拡大が見込める点が評価された。
ベンチャーキャピタリスト奨励賞
DCMベンチャーズ
General Partner/日本代表 本多央輔氏
【受賞のポイント】
2020年における代表的な上場企業の一つであるfreee株式会社を務めるなど、数多くのベンチャー企業に対する組織構築の支援等を通じた成長への貢献を高く評価。
株式会社東京大学 エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)
パートナー 井出啓介氏
【受賞のポイント】
2020年における代表的な上場企業の一つであるAI inside株式会社をはじめとする、大学の研究を基とした起業支援、大学発ベンチャーに対する経営支援を高く評価。
株式会社ファストトラックイニシアティブ
代表パートナー 安西智宏氏
【受賞のポイント】
個社支援に加えて、経産省「バイオベンチャーと投資家の対話促進研究会」など、テック系ベンチャーへの投資活性化に対する取り組み、貢献を高く評価。
本大会に関するお問い合わせ先
独立行政法人中小企業基盤整備機構 創業・ベンチャー支援部 創業・ベンチャー支援課
JVA2021運営事務局 TEL:03-3292-5088 E-mail:jva2021@operation-desk.jp