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中小企業のM&Aはリスクだらけ?円滑に進めるための課題と解決策

#M&A・事業承継

中小企業のM&Aはリスクだらけ?円滑に進めるための課題と解決策
近年、中小企業のM&A(合併・買収)が増加しています。少子高齢化による後継者不足や、経営環境の変化に対応するため、多くの企業がM&Aを選択肢として検討しています。しかし、M&Aにはさまざまなリスクが伴い、慎重な対応が求められます。本記事では、中小企業のM&Aにおける主な課題とその解決策について解説します。

    中小企業のM&Aにおける主な課題

    適切な買い手・売り手の選定

    M&Aが成功するかどうかは、適切な相手企業を見つけられるかにかかっています。しかし、中小企業は大企業に比べて市場での情報が少なく、適切な買い手・売り手を見つけるのが難しいという課題があります。

    企業価値の適正評価

    M&Aでは、売却価格の設定が重要になります。しかし、中小企業の場合、財務情報の透明性が低いことや、事業価値の評価が難しいことから、適正な企業価値を算定するのが困難です。

    契約・法務リスク

    M&Aには契約書の作成、法的手続きなどの法務的なリスクが伴います。契約内容が曖昧だと、買収後に予期せぬトラブルが発生する可能性があります。

    組織文化・人事の統合

    M&Aが成立しても、異なる組織文化を持つ企業が一つになることで、社員のモチベーション低下や退職者の増加といった問題が起こることがあります。

    財務リスク

    買収企業が財務状況を十分に精査せずにM&Aを進めると、買収後に想定外の負債が発覚し、経営に大きな影響を与えることがあります。

    M&A仲介業者の問題

    M&Aのプロセスをスムーズに進めるために、仲介業者を利用するケースが多いですが、以下のような問題が発生することがあります。
    ●高額な手数料
    成功報酬型の仲介業者が多く、売却価格の数%~10%以上の手数料が発生することもある。
    ●自社に最適な買い手・売り手を紹介しない
    仲介業者が手数料を優先し、必ずしも最適な相手を紹介しないケースがある。
    ●情報漏洩のリスク
    M&Aの情報が適切に管理されず、従業員や取引先に知られてしまうこともある

    M&Aを円滑に進めるための解決策

    専門家の活用

    M&Aを成功させるためには、M&Aアドバイザー、弁護士、公認会計士、税理士などの専門家を活用し、リスクを最小限に抑えることが重要です。これにより、適切な相手の選定や契約リスクの回避が可能になります。

    デューデリジェンスの徹底

    M&Aの前に、財務、法務、事業のデューデリジェンス(詳細な調査)を行い、買収後にリスクが発生しないように備えることが重要です。

    適切な企業評価の実施

    中小企業の企業価値を適切に算定するために、専門家とともに評価手法を検討し、売却価格の妥当性を確認することが大切です。

    組織統合のための計画策定

    M&A成立後の組織統合を円滑に進めるために、事前に統合プランを策定し、社員の不安を解消するコミュニケーション戦略を実施することが必要です。

    財務リスクの管理

    M&A後の財務リスクを最小限に抑えるために、事前に財務状況を詳細に分析し、リスクを適切に管理する体制を構築することが求められます。

    まとめ

    中小企業のM&Aには多くのリスクが伴いますが、適切な準備と対策を講じることで成功の確率を高めることができます。専門家の活用、デューデリジェンスの徹底、組織統合計画の策定などを実施することで、円滑なM&Aを実現し、企業の成長へとつなげましょう。

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    編集局の声

    M&Aは企業にとって事業の成長や存続のための有力な選択肢ですが、不安や疑問を抱えている経営者も多いのではないでしょうか。売り手・買い手の双方が納得できるM&Aを実現するには、正しい知識と慎重な準備が不可欠です。また、仲介業者に依頼する場合でも、その実績や手数料体系、サポート内容を十分に確認することが重要です。M&Aは単なる取引ではなく、企業の未来を左右する決断です。自社にとって最適な形を見極め、長期的な成功につながる選択をしていきましょう。

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