【環境浄化】環境調和型プロセスによる澱粉含有排水の浄化と排水成分の再資源化技術
山形大学学術研究院 (バイオマス資源学) 渡辺 昌規 准教授
概要
プロテアーゼ(酸性プロテアーゼ)含有酵素剤添加により、澱粉含有排水中に含まれる澱粉粒子(固形成分)に対して、凝集・沈降性を付与し、澱粉粒子分離・回収を可能にする技術。この添加酵素は澱粉粒子表層タンパク質を分解し、さらにリン酸イオンとの反応により、負電荷を有するモノリン酸エステル型デンプンを生成する。このリン酸基と澱粉含有排水に含まれる金属陽イオンとの静電的相互作用により、澱粉粒子が凝集し、自重により沈降する。
特徴
○沈降させた固形成分(澱粉粒子)を除去した上澄液を、そのまま処理水として事業所内での再利用が可能である。
○固形成分の再利用(バイオエタノール、生分解性プラスチック等の糖質原料として)が容易となる。
○動力・熱源を必要とすることが殆ど無く、消耗品(交換部品)費等が発生しない。自動化により、無人化運転が可能。(人件費の削減)
○既存の活性汚泥処理負担低減を可能にする他、凝集剤添加による処理方法に比べ、処理汚泥容量の削減が可能。
利用分野
○製麺事業所(うどん、蕎麦)
○麺販店(うどん、蕎麦のゆで汁の処理)
○米菓製造事業所(餅、あられ等)
○製粉事業所(米粉、小麦粉、馬鈴薯澱粉等)