【大学のオモシロ研究】 クモやカイコが作り出すシルクから学ぶ
信州大学 応用生物科学科 生体分子機能工学 矢澤 健二郎 助教
研究課題
(1) クモやカイコが体内で、シルク溶液を繊維化する仕組みを解明する。
(2) クモやカイコの作り出すシルクの物性を超える人工シルクを創る。
研究内容
<クモやカイコが作り出すシルクの神秘に迫る!>
クモやカイコの作り出すシルクはタンパク質で構成され、強さと延びを兼ね備えています。クモの糸に関しては、ヒトの髪の毛の約10分の1の太さでありながら、直径3mm程度まで集めると、体重60kgの人間を支えることができます。しかし、天然のクモやカイコの糸を人工的に創り出すことは未だ困難です。クモやカイコは小さな体からは想像できないような精巧な仕組みで、水素イオン濃度、塩濃度、水分含量、溶液の射出速度を変化させていると考えられていますが、詳細は未だ分かっていません。長い年月をかけて進化したクモやカイコが作り出すシルクの神秘を、学び、得られた知見を産業応用に役立てます。
研究から広がる未来
クモやカイコの糸は軽く、強度と柔軟性を併せ持ち、細胞毒性が低く、まさに「夢の繊維」です。射出過程に高熱を必要とする化学繊維の製造過程と比較して、クモやカイコは常温で糸を射出します。クモやカイコの糸の製造過程を解明し、人工シルク糸を創り出すことができれば、産業応用が可能です。
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