【ビッグデータ】ビッグデータで得た経験則を自動推論で結び付けよう
埼玉大学大学院理工学研究科 数理電子情報部門 情報領域 後藤祐一准教授
キーワード
人工知能 自動推論 論理学 知識表現
研究概要
「暑い日は冷たいビールがうまい」という経験則と「今日は真夏日」という事実から「今日は冷たいビールがうまい」という結論を導出する行為を推論と言います。どのような推論が良い推論なのかを研究している分野が論理学です。私は論理学に基づき、計算機に推論を自動的に行わせる自動推論とその応用を研究しています。
論理学に基づく自動推論は、機械学習(深層学習含む)に比べると、同じ人工知能の分野でも古い研究分野です。機械学習は、大量の観察データから頻出するパターンを計算機に見つけさせる技術です。このようにして得られたパターンは経験則(あるいは経験則候補)と考えることができます。
人間が扱いきれないような量のデータ(ビッグデータ)から機械学習によって大量の経験則が得られても、経験則同士が関連づけられていなければ何の役にも立ちません。私は経験則同士を関連付けて利用する道具として自動推論が役に立つと考えています。
産業界へのアピールポイント
・ビッグデータを用いたデータマイニングが一般的になった時の次の課題「得られた多くの経験則をどう組み合わせて使うのか」(情報マイニング)に役立ちます。
・自動推論を基礎づける論理として準無矛盾論理の一つである強相関論理を採用しています。このため、非完全情報下における推論を行っても無意味な推論になりません。
実用化例・応用事例・活用例
・汎用前向き推論エンジンFreeEnCalを共同開発(同領域所属の程京徳教授と)
最近の研究テーマ
・汎用前向き推論エンジンFreeEnCalの汎用化・高速化
・汎用Web調査・試験サーバの開発