【脳の測定】新規イメージングバイオマーカーの開発
藤田医科大学 医学部 放射線科 外山 宏 教授
■背景
アルツハイマー病をはじめとする神経変性疾患において、ミクログリアを中心とした神経炎症が病態に深く関わっていることがわかっています。
これまではtranslocator protein 18kDa(TSPO,別名:末梢性ベンゾジアゼピン受容体)を標的として神経炎症のPETイメージングが行われてきましたが、TSPOイメージングは、細胞特異性がリガンドによって異なっており、さらに遺伝多型の影響を受けるため、神経炎症のバイオマーカーとしては最適ではありませんでした。
■多施設共同による開発
そこで、ミクログリアの状態を反映しうる分子を標的として新たなPETリガンドの開発をおこないました。既知の低分子化合物をシードとして、陽電子放出核種による標識合成をおこない、PETリガンドとしてのin vitro/vivo特性評価をするというものです。これにより、人におけるアルツハイマー病の病態解明・治療効果評価に役立てると考えています。
■多施設共同による新規PETリガンド開発体制
・国立長寿医療研究センター 認知症先進医療開発センター
伊藤健吾・加藤隆司 (臨床PETイメージング)
木村泰之・山田貴史 (小動物PET PETリガンド評価)
小縣 綾・池沼 宏 (PETリガンド 合成・評価)
阿部潤一郎 (ホットラボ&サイクロトロン)
鈴木正昭 (有機化学)
安野史彦 (精神医学)
・岐阜大学
古山浩子 (有機化学)
・量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所
張 明栄・河村和紀・石井英樹・山崎友照(PETリガンド合成・評価/被曝線量評価)
季 斌・関 千江 (モデル動物 in vitro評価)
南本敬史・永井裕司 (サルPETイメージング)
・藤田医科大学 放射線科
外山 宏 (小動物定量PETイメージング)
市瀬正則 (PET定量解析)
・名古屋大学
澤田 誠・鈴木弘美 (ミクログリア機能評価質量イメージング)
古川高子(腫瘍イメージング)
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