【高齢者関連】運動を含む身体活動による高齢者の介護予防支援に関する研究
福岡工業大学 社会環境学部 社会環境学科 准教授 楢崎兼司
研究概要
1.研究背景
超高齢社会の到来に伴い、高齢者の要介護予防および健康寿命延伸の実現は喫緊の社会的課題であると認識されている。これまでの中高齢者を対象とする国内外の研究では、日常生活にいて身体活動を増やすことで、要介護の原因疾患となりうる生活習慣病や認知症などの発症が抑制されることが報告されている。また、身体活動の多寡にかかわらず日常生活中の座位行動を減らすことによってもこれらの疾患の一部が抑制される可能性が示されている。
2.研究内容
上記の背景をふまえ、私の研究室では「中高齢者の日常身体活動を増やし、座位行動を減らすことで、その後の要介護リスクは低くなる」という仮説を立て、その仮説に対するエビデンスを得るための運動疫学研究や要介護リスクの低減に有効でかつ安全に実施できる運動条件を明確にするための運動生理学研究を行っている。
①運動疫学研究
九州大学健康・運動疫学研究室(熊谷秋三教授)との共同研究を通して、 地域在住高齢者のある時点での日常身体活動・座位行動・体力とその後の要介護認定との関連性について研究を行っている。また、地域医療振興協会地域医療研究所ヘルスプロモーション研究センター(野藤悠研究員)との共同研究を通して、地域在住の中高齢者における居住環境と運動を含む身体活動および座位行動との関連性について研究を行っている。(図1)。
②運動生理学研究
福岡大学スポーツ科学部運動生理学研究室(田中宏暁教授)との共同研究を通して、比較的低強度のジョギングやサイクリングなどの運動がもたらす介護予防効果に関する研究を行っている(図2)。
利点・特徴
高齢者の方々を対象とする運動教室や各種活動など、介護予防を目的とする地域施策の企画・実践・評価などに役立つ研究知見が得られる。
応用分野
・公衆衛生学 ・老年医学 ・健康科学
※図1、2については福岡工業大学のシーズ集・又は産学連携推進協会サイトをご覧ください
【お問い合わせ】
さらに詳しい内容は、一般社団法人産学連携推進協会へお問い合わせください。