【化粧品関連】透光性に優れた紫外線吸収性新規セラミックス
大阪公立大学 工学研究科 客員教授 横川 善之
■概要/特長
層状複水酸化物LDH(Layerd Double Hydroxide)は樹脂フィラーとして樹脂安定機能を持ち、広く利用されている。LDHの組成を変えることで、紫外線遮蔽機能を賦与することに成功した。さらに、構成元素やアニオンを変えると、光触媒活性を賦与することもでき、湿式分解法で光触媒活性を示す。また、構成元素により新規LDHは、抗菌・抗ウイルス性や特定臭気物質の脱臭作用を持ち、生体安全性も確認している。
■従来技術・競合技術との違い
広く利用されている無機系紫外線遮蔽材は屈折率が高く、白色顔料などとして使われてきた。やや低屈折率の遮蔽材を微細化することで透光性を向上させることは可能だが、欧米でナノ粒子のリスクが懸念されている。紫外線遮蔽性を持つ新規LDHの屈折率は、ヒトの皮膚や樹脂と同程度で高い透光性を示す。また、樹脂等への分散性は良好であり、保温性、消臭機能、抗菌・抗ウイルス性、生体安全性など、従来材料にない優れた特性を合わせ持つ。
■想定される応用分野
新規なLDHは透光性が高く、紫外線吸収、光触媒活性を示すフィラー材料として、化粧品や塗料などに応用可能である。新規LDHは、そのほか、保温性、抗菌性、消臭性を持ち、不織布やシートに練込んでも機能を発揮する。防災用テント、抗菌・殺菌素材、歯科材料や介護オーラルケアなどにも応用が期待される。生体内で安全で、多方面に応用可能なフィラー材料として使えるオンリーワン材料として差別化が可能である。
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