【電池】燃料電池正極触媒としての白金フリー高活性窒素ドープグラフェン
筑波大学 数理物質系 物質工学域 助教 武安 光太郎 共同研究者:筑波大学 数理物質系 物質工学域 教授 中村 潤児
■概要
水素燃料電池の持続的・広範な普及のためには、用途に応じて白金系触媒を代替する触媒の開発が不可欠です。窒素ドープカーボン触媒は、その最有力候補の一つですが、酸性条件下での性能低下が実用化の壁となっていました。この度、窒素ドープグラフェン触媒の疎水性を構造的に強化し、さらにプロトン伝導性を両立することによって、性能が大幅に向上し、白金系触媒に立ち上がり電圧で 0.1 V に迫る触媒の開発に成功しました。これは窒素ドープカーボン触媒では世界トップレベルの活性です。
■期待される市場規模 ・社会に与える影響や効果
燃料電池市場は 2021 年度は 3700 億円規模ですが、2030 年以降には、数十倍以上に成長することが見込まれます。白金は埋蔵量が限られていることから、その代替触媒の開発が不可欠です。本技術は、大規模化する燃料電池市場において、実用に耐えうる白金フリー触媒を提供します。
■お問い合わせ
OI国際戦略機構
oi-sanren@un.tsukuba.ac.jp