【バイオジャパン2023】図形模写試験画像から脳機能を手軽に測定
大阪公立大学 医学研究科 講師 丸田 純平
研究の目的
・図形模写試験の画像から高次脳機能障害を客観的および定量的に評価する
・スマートフォンなどのアプリ内でも瞬時に評価できるように実装する
研究の背景
・認知症の適切な診断と治療のためには早期発見が重要である。
・一般的な認知症スクリーニング検査では、1対1の対面で行うため、専門の診断者が必要であり、また、回答時間の制限により、被検者が緊張状態に置かれてしまい、正確な検査結果が得られない場合がある。
・従来の図形を模写する診断法では、画力レベルが低い場合(描写が苦手な)場合でも、脳機能が低下していると誤判定されることがある。
研究概要
・大阪市立弘済院附属病院認知症疾患医療センターで蓄積した4000件の教師データを人工知能に学習させ、教師データとは別の検証データにて人工知能の精度を確認した。
(結果は図の通り。図形上の%が高いほど正確に模写したと人工知能が判定している)
・人工知能はたたみ込みニューラルネットワークの技術を用いており、ONNX形式で作成している。iPhone, Android, PCなど様々な環境のアプリに組み込み可能である。
想定される用途
・手軽な脳機能の測定(健康アプリ内への組み込み)
・消費者の保護(決済時の簡易な脳機能の評価)
出願情報
特願2020-029654(令和2年2月25日出願)