【アグリビジネス創出フェア2023】在来天敵を用いた畜産害虫サシバエの防除~飼料効率向上と牛伝染性リンパ腫蔓延阻止を目指して~
九州大学 比較社会文化研究院 生物多様性講座 講師 松尾 和典
研究概要
近年、吸血性畜産害虫サシバエの発生数は増加傾向にあり、畜産現場では防除のために多くの労力が割かれている。サシバエは届出伝染病として指定されている牛伝染性リンパ腫の媒介因子であるとともに、吸血時に牛は強い痛みを伴うため、多大なストレスによる生産性への影響が懸念されている。米国ではサシバエによる経済損失額(乳牛・肉牛)は年間約22.1億ドルにのぼるとの報告もある。
九州大学ではサシバエの天敵寄生蜂(キャメロンコガネコバチ)を国内で初めて発見した。本シーズは当該寄生蜂を用いたサシバエの生物的防除法の開発を目指す。
企業に向けたメッセージ
サシバエ対策に苦労している畜産農家、乳製品・食肉関連企業の方で、牛伝染性リンパ腫感染リスク低減、アニマルウェルフェア順守、化学薬品の使用削減に関心のある方はご連絡ください。
お問い合わせ
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比較社会文化研究院 生物多様性講座
松尾 和典
e-mail: matsuosudachi@scs.kyushu-u.ac.jp