【メンタルヘルス】同志社大学メンタルヘルス予防教育プログラム ≪こころあっぷタイム≫
同志社大学 心理学部 石川研究室
背景
現代社会が早急に解決すべき課題として、メンタルヘルスの増進、つまり心の健康づくりがあります。これまでに、成人期(おとな)の心理的問題の半数は児童期(こども)に始まっていることが明らかになっています。
目的
本プログラムでは、教師が学級で実行可能な小学生対象のメンタルヘルス予防プログラム(Universal Unified Prevention Program for Diverse Disorders: UP2-D2)の実装を通じて、現代社会の抱える問題を切り抜ける適切な知識と技術である心理的レジリエンスを備えた市民の育成を行い、心の危機を自力で乗り越えられると知ってもらうことを目指します。
プログラム内容
本プログラムでは、4種類 のメンタルヘルス予防プログラムを展開しています。
・小学生版プログラム「こころあっぷタイム」
・中高生版プログラム「こころあっぷタイム+(ぷらす)」
・幼児版プログラム
・アレンジ版プログラム(学校外での適応を目指したものです。実施には相応の研修が必要です)
小学生版プログラム「こころあっぷタイム」概要
代表的な小学生版メンタルヘルス予防プログラム(通称「こころあっぷタイム」)を例にとって説明します。「こころあっぷタイム」は、学校の授業のような形式で担任の先生の指導で実施されます。
対象者 小学校4~6年生
授業担当者 担任教師など
実施回数 全12回(1回45分授業)
教材 ワークシート、指導案など
プログラムの効果指標 プログラムの効果について、児童、教師、保護者向けのアンケートを実施し検証します。
プログラムの特徴
子どもたちが「おもしろい!」と思って学べるワークシート教材や指導案を準備しております。教材の漫画やイラストは完全にオリジナルで、漫画家の日野行望先生に作成していただきました。
赤丸くん、青助くん、キミちゃんという3人の登場人物の心の問題について、白じいの発明品を使って一緒に解決方法を学んでいく、というストーリーになっています。
〇漫画による導入
〇登場人物による例示
〇アイテムを使った説明
授業内容
全12回で構成されたプログラムになっています。これらは認知行動療法とポジティブ心理学の技法を用いた授業構成です。
研究成果
プログラムは児童精神科医の神尾陽子先生・児童臨床心理学の専門家の石川信一教授を中心としたメンバーによって開発されました。
https://capmh.biomedcentral.com/counter/pdf/10.1186/s13034-019-0303-2.pdf
小学校での実践では、プログラムを受けた子どもは行動を起こすときの自信を高め、全体的なメンタルヘルスを改善させる効果があることもわかっています。
https://link.springer.com/content/pdf/10.1186/s13034-021-00398-y.pdf
中学校の実践では、学級全体で不安症状が改善することがわかっており、
https://link.springer.com/article/10.1007/s10935-022-00709-9
その中でも抑うつ感や不安感が高い子どもに効果が高いことが示されています。
https://link.springer.com/article/10.1007/s10935-022-00709-9
お問い合わせ
プログラムの内容に関する質問や、実施を希望される方は、下記連絡先からお気軽にご連絡ください。
※本件の事業遂行管理は一般社団法人青少年のための心理療法研究所(https://jicap.jp/)が行っています。
事務局:同志社大学心理学部 石川研究室
MAIL: info.mhprogram[アットマーク]gmail.com
http://mentalhealthprogram.jp/