【防災】地震災害時の「安全・安心」の分析を可能とする情報基盤技術
神奈川大学 情報学部 システム数理学科 教授 秋吉 政徳
研究の背景
都市防災のニーズ
・災害時に大きな混雑やパニックの発生を抑止するために、危険個所を予測することは重要である。
「地下空間利用施設においては、 (中略) 火災や浸水等による他の施設 への被害の拡大を防止するため、施設管理者等の必要な連携の下、ネットワークとしての利用者の安全確保対策が重要となっている。」 (総務省 報告書より抜粋)
・近年地下街やビルなどは吹き抜けエリアや複雑なフロアレイアウトなどによって、避難行動としてどのような問題が発生するかの予測が難しくなっている。
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避難訓練や危険箇所巡視だけでは、避難時のパニック行動がどのような集団で、どのような状況で発生するかが把握できない。
技術の特長
VRとMASの連携によるパニック行動の誘発とその計測
技術の内容
①行動ログ解釈
シミュレーション結果の自動解釈
避難シミュレーションの行動ログから「集団としての行動特性」 を客観的に解釈するために、トピックモデルによる避難集団行動分析
②行動ログの可視化
実験結果・・・避難集団の形成や推移が容易に把握可能
③パニック行動の誘発
パニック行動の分析に向けたVRによる検証基盤
– 仮想の屋内施設の再現
– 災害状況の再現
– 群集の再現
– 避難が求められた時の行動・視線・生理データを取得
④パニック行動の誘発結果
―視線距離の違いー
パニック行動を観測した人は近くを見る傾向/パニック行動を観測しなかった人は満遍なく見る傾向
想定される用途
〇地下街等のエリアレイアウトにおける設備配置設計
デジタルサイネージ/非常口/防火シャッタ–/誘導灯/誘導路
〇事業用オフィスでの避難計画の検証
フリーアドレスオフィスのような非定常在席状況の分析
〇避難検討用シミュレータ
避難者の特性把握と対策
企業への期待
・検証のためのフィールドのご協力(共同研究)
・安全・安心としての実ニーズのご提供(共同研究)
詳細URL
https://shingi.jst.go.jp/pdf/2023/2023_kanagawa-u_004.pdf
お問い合わせ
神奈川⼤学 研究推進部 産学官連携課
TEL 045-481 - 5661
FAX 045-481 - 6077
e-mail sankangaku-renkei@kanagawa-u.ac.jp