【防災】災害発生直後に自動検知できる緊急救命避難支援システム
関西大学 システム理工学部 電気電子情報工学科 教授 和田 友孝
研究の背景
火災:死者数は最近10年で、1,400人/年とほぼ横ばい
テロ:ナイフ、銃乱射などの無差別殺傷事件が近年増加
地震:東日本大震災以降、飛躍的に発生回数が増加
豪雨:西日本豪雨(2018年)のような長期間豪雨が増える可能性
猛暑:41.1度(浜松市(2020年)、熊谷市(2018年))→災害級
従来技術とその問題点
既に実用化されている以下のシステム
1)緊急速報メール
2)スマ保災害時ナビ(アプリ)
3)センサネットワーク
1)と2)は屋内の災害には未対応、3)はセンサやサーバが故障すると機能しないという問題があり、火災のような局所的な災害に即時対応できない。
ERESS ―緊急救命避難支援システム―
Emergency Rescue Evacuation Support System
(目的)
突発的災害発生直後30秒以内に避難行動を開始させることで、災害による犠牲者を大幅に減らす
(ERESSの従来システムとの違い)
1.近隣の端末がMANETにより常に相互に通信し、情報を交換・共有
2. 端末のセンサ情報から行動状態を推定
3. 収集した行動状態から災害検知、端末密度推定、および避難誘導
想定される用途
①通常時と災害時に機能するスマートフォンアプリ
Yahoo!防災速報、LINE防災速報などの防災スマートフォンアプリにERESSの機能を組み込む
②混雑状況を可視化するシステム
人の集まる場所(駅、空港、トイレ、ショッピングセンター、温泉など)での混雑状況の可視化は今後の需要拡大に期待
③屋内位置情報や行動状態にもとづくサービス
工場における作業者の位置情報や行動状態を記録し、より効率的な生産を目指すなど、多種多様なサービスの可能性
企業への期待
• ERESS機能の試作アプリケーションをベースとして、安定して動くアプリの実装
• 実用的なユーザインタフェースや処理を実現できる、スマホアプリ開発企業との共同研究
• すでに実用化されている防災アプリに関係している企業や自治体との共同研究
• 毎年開催されている関大防災デーにおいて、数千人規模での防災アプリ実証実験を一緒に行ってくれる企業との共同研究
■特願2023-128027
詳細URL
https://shingi.jst.go.jp/pdf/2023/2023_kansai_003.pdf
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