PM2.5や黄砂粒子を一つ一つ観察できる携帯型粒子捕集装置 (応用篇)
工学院大学 先進工学部応用物理学科 坂本哲夫教授
【 概要 】
微粒子を平滑なSiウエハ上に捕集できるため、SEM画像を二値化・輪郭抽出することで 、個々の粒子の大きさ・形状に関するパラメータを得ることができる。
それにより、個別粒子の観察だけではなく、多数粒子の統計情報を抽出することができる。
【 アピールポイント 】
アスペクト比、周囲長、フェレ径などの形状パラメータから、粒子を形状ごとに分類・カウントするソフトウェアを開発した。
多数粒子を解析にかけ、3つのタイプの粒子形状に分別した結果である。
Siウエハを走査しながら捕集するため、ウエハ上の場所による粒子の捕集にばらつきがなく、信頼性の高い統計情報が得られる。
同様の実験を従来型サンプリング方式(Agフィルター、ガラス繊維フィルター、ポリカーボネートフィルタ)で行ってみると、形状に関する情報は得られず、本捕集装置の特長が明らかになった。
サンプリング~SEM観察、統計処理まで数時間で可能であり、粒子の定点観測や場所による違いの測定も可能である。
【 利用・用途 応用分野 】
● 大気化学分野: PM2.5や黄砂の形状観察・統計処理によるモニタリングや起源解析
● 工業分野: 排ガス等の評価、発生源対策
● 精密加工分野: クリーンルーム大気中の微粒子評価、発生源解析
【 関連情報 】
知的財産権= 微細部位イメージング装置(特開2014-22344)、集束イオンビームを用いる微細部位解析装置(特許4785193)
●関連論文 =大塚 紀一郎,江坂 将,三浦 祐哉,坂本 哲夫, エアロゾル粒子の個別分析のための分散型インパクター捕集器の開発, 分析化学, 63(4) 317-322 (2014).
●関連 URL =工学院大学・応用物理学科・物質計測制御研究室 http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~wwc1045/
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