【環境浄化】下水や産業排水処理向け低温硝化技術を開発
東洋大学 生命科学部 応用生物科学科 角野 立夫 教授
研究概要
冬場での下水処理では硝化が反応を律速し、対策として担体投入法が試みられている。しかし、13℃未満では処理性能が低下する傾向があります。本研究では、5~10℃で硝化処理できる菌群の集積培養に成功しました。
研究シーズの内容
下水処理向け低温硝化を合成無機廃水(NH4-N40mg/L 含有)での長期処理運転で検証し、5~10℃で硝化活性が持続し実廃水処理への適用ができる可能性を見出しました。5℃で高活性に発現する菌群の集積培養方法を見出し、菌群を固定化した担体を作製しました。この担体を用い5~10℃連続処理で硝化性能を検証しました。 硝化反応(NH4→NO2酸化)
特徴
●5℃で耐性のある硝化細菌群は広く分布しており、開示特許により容易に集積培養が可能
●固定化することにより5~10℃で長期間活性を維持
●硝化速度 0.1~0.3kg-N/m3 ・d(52~156mg-N/h・L-担体)で高速硝化(図1)
平成24年度の化学工学会大会(8月横浜国大)で奨励賞受賞、水処理生物学会大会(11月北里大)でベストプレゼンテーション賞を受賞。
研究シーズの応用例・産業界へのアピールポイント
水圏浄化、下水処理、産業廃水処理、観賞魚水槽の浄化などへの活用を期待しています。
特記事項(関連する発表論文・特許名称・出願番号等)
①国際公開番号 WO/2014/017429「アンモニア性窒素含有水の低温処理方法および装置」
②角野立夫:5~10℃の低水温での窒素処理(硝化反応)が可能、大学技術工房、vol.3、36 (2013)
③小暮元輝,大竹赳,角野立夫:高濃度アンモニア含有廃水で馴養した包括固定化活性汚泥担体の低温硝化特性、日本水処理生物学会誌、50、No.3、113-120(2014、9月)
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