カガセイフン:6つの特徴
1.石臼製粉ラインを独自設計し、少量多品種の製造に対応
→ 多様化したお客様の声に対応
2.福井県内で砕石された「小和清水石臼」を34台揃えた石臼専門の蕎麦製粉工場
→ 福井県産石臼をさらに増設
3.福井県産そば在来種専用の脱皮機で精度の高い丸抜きを製造
→ 繊細で加工しにくい福井県在来の蕎麦の実を加工する技術力
4.試食も行える製麺試作室(手打ち・機械打ち)を完備
→ 直接お客様とコミュニケートし交流できる場でエンゲージメントを増やす
5.氷温熟成そばや不作時の安定供給のための氷温庫を完備
→ さらに長期熟成蕎麦への挑戦
6.高性能の自動製麺機にて生麺の販売が可能になった
→ 新規事業として製麺事業を開始、さらにお客様とのタッチポイントを増やす
■工場リニューアルの紹介ページ
https://soba-sueyoshi.co.jp/factory
■石臼製粉工場をリニューアルした背景
コロナ禍において、飲食店が次々と休業余儀なくされ、蕎麦製粉事業のBtoBが厳しい状況になった事を受け、パンデミックや自然災害など様々な経営危機に対応するべく、柔軟で小回りのきくそして、今までの特徴をさらに伸ばす工場へと進化させるために工場をリニューアルいたしました。この事により、多様性のあるお客様とのエンゲージメントやタッチポイントを増やしていくことができます。
■カガセイフンの扱うそば粉の特徴
・原材料
福井県内ほぼ全域で栽培される小粒で固く実の詰まった「在来種」を主として使用しています。
「在来種」は天候に影響を受けやすく、栽培が非常に難しい上に収穫量や品質が安定しない雑駁さゆえに希少価値が高く、高値で取引されている蕎麦粉原料です。
・無農薬栽培そば粉
現在、福井の農産物は一部を除いて農薬は不使用となっています。
福井では連作すると良い蕎麦が育たない理由から連作は行わず、良い蕎麦を作るために一年かけて土づくりを行います。
また、農家1組ごとに専用の乾燥調整機を保有しており、収穫した蕎麦を時間を置くことなくすぐに乾燥させることができるため、品質低下を最低限に抑えることができます。
乾燥調製の設備は某大な費用が掛かるため、全国でもここまでする農家があること自体が極めて稀なことです。
・道具
石を切り出してから10年以上寝かせる
薪と同じように石も切り出してすぐは水分を保有しているため石臼として使用する場合、石自体の水分をあらかじめ空気に晒して抜かないといずれ歪みが生じ上下臼がかみ合わなくなってきめ細かい粉を挽かなくなります。事前に歪みをしっかりを出しきってから成型し直し、石臼特有の目を起こして使えば100年、200年と長く使い続けることができるのです。
しかし、歪みが出る前に使い始めてしまうと、いざ歪んできてからの成形がききません。
その寝かしを最低でも10年かけ、その後、目を起こして使うようにしています。また、カガセイフンの石臼は今は亡き石臼専門の石工が1台1台手間と時間をかけて手彫りで作り上げており、上下臼が一対の関係となっているため、他の上臼や下臼を入れ替えてもそば粉を挽くことはできません。
・石臼で粉を挽く
カガセイフンでは34台の石臼があり、それぞれ石臼が作られた年代や作った職人が違うためで個性があります。同じ産地、同じ挽き方、同じ回転数で挽いても34通りの蕎麦粉に挽きあがります。個人売りの場合は決まった銘柄があるので指定の石臼で挽きますが、営業店の場合は、お店ごと、店主ごとに異なる要望に合わせて挽き臼や挽き方を変えて都度製粉しています。
・製法
製法が難しく希少で高価な蕎麦粉
一般的に全国のそばそば製粉所は機械製粉(ロール挽き)がメインです。
プロが1回の蕎麦打ちで使用する蕎麦粉の量は1.5kg前後ですが、1.5kgの蕎麦粉を挽くのに一般的な石臼なら30分ほど、機械なら数秒で挽けます。石臼でも早く回転させたり、そばの実の投入量を多くすれば、ある程度大量に製粉できるため生産効率が上がり経済的にも柱となりやすいですが、カガセイフンでは1.5kgのそば粉を1時間半かけて製粉しているため、機械製粉と比べて100倍以上、生産効率が違い手間がかかる割には利益の確保が困難です。それでもカガセイフンでは創業当時から受け継がれた石臼挽きの技術で無農薬栽培の福井在来種を製粉しています。