◆飛鳥時代より伝わる伝統技法“截金”を用いる日本画家
7世紀半ばの飛鳥時代から、仏像彫刻や仏画とともに日本に伝わった“截金”
法隆寺所蔵の玉虫厨子に国内最古の截金が現存する他、東大寺、高野山など歴史的な国宝、文化財にも使用され、高い装飾性と繊細な技術で人々を魅了しました。
江戸時代頃になると、金箔に変わり金泥による文様も普及し、次第に継承者も少なくなり、名称すら忘れ去られた幻の技法となりました。
近年になり、人間国宝にもなった江里佐代子氏など、先人の努力により“截金”は現代に蘇り、その尊崇な技法が脚光を浴びております。
中村祐子氏も東京芸術大学で文化財保存修復を専攻し、博士号を取得。仏像や仏画の修復、彩色、復元などをし、古来の技法にも造詣も深めながら、自らの感性で描く日本画制作にも励み、現在は截金を用いた若手女流画家として活動を続けております。
今回の個展でも、花や鳥など、作家の持つ優しい感性と確かな技術から描き出された力作20余点を展示予定です。
是非ご高覧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
◆会期:2014年7月10日(木)~16日(水)
◆会場:東武百貨店池袋店 6階1番地美術画廊 絵画サロン
◆截金(きりかね)とは
金箔・銀箔・プラチナ箔を数枚焼き合わせ細く直線状に切ったものを、筆と接着剤を用いて貼ることによって文様を表現する伝統技法です。
日本においては特に仏像・仏画の衣や装身具を荘厳するために発達してきました。
一時は“忘れ去られた技法“となっておりましたが、1981年以降3名の截金師が人間国宝と認められ、現代では工芸品として利用される事も多くなり、再び注目を集めております。
◆中村祐子略歴
1977年 東京都出身
1999年 早稲田大学第一文学部美術史学専攻 卒業
2010年 東京芸術大学大学院 文化財保存学 博士号取得
2012年 絵の現在 第40回選抜展 銅賞
2013年 アートフェア東京出品 個展(東武池袋春の絵画市)
現在 女子美術大学、東京藝術大学美術館非常勤講師