渋谷区商店街連合会の外苑ブロックに属する穏田商店会(渋谷区神宮前6-8-6)は、国内唯一のWi-Fi認証ベンダーである情報セキュリティ・マネジメント株式会社(豊島区)と共同で、商店街でWi-Fiサービス提供を行う際の課題解決に有効な商店街ならではのWi-Fi利活用モデルを確認、検証する為、専用のWi-Fiアンテナを穏田商店街の街路灯に設置し、海外観光客等の来街者に自由に利用してもらう実証実験をスタートさせました。
現在、日本国内では、海外観光客によりニーズが高まる一方の公衆Wi-Fi環境を2020年の東京オリンピックに向けて積極的に整備、拡充していこうとする機運が高まっています。
ただ、自治体や商店街などが地域経済の活性化の為にWi-Fiサービスを導入しようとする際には、家庭用のWi-Fi機器を簡単に取り付けて終わりという訳にはいかず、幾つかの課題をクリアする必要がありました。
【主な課題】
● 外国人観光客にだけ提供されるWi-Fiサービスでよいのかどうか、ターゲットの考え方に関する合意形成。
● 利用者の使い勝手に影響する接続・認証手続きの簡素化。
● 多言語対応。
● 単なるホームページをリダイレクト配信するだけでは、かえってWi-Fi利用者に不便、ストレスを与える。
● インターネット回線費用やシステム保守メンテナンス等、持続的にランニングコストを賄える収益モデル。
今回、穏田商店会と情報セキュリティ・マネジメント社が共同で取り組む実証実験では、上述の課題に対するソリューション案を形にした様々な機能が盛り込まれており、ショッピングモール等の商業施設ではなく商店街のような組織がWi-Fiサービス提供者となる場合でも、持続的に運営していけるようになる為の有意義な検証データ取得が期待されています。
【課題解決の試み】
●外国人観光客にも日本人にも等しく簡単に使えるフリーWi-Fiとする事で、Wi-Fi利用者をより多く誘客することを目指す。
●事前にIDやパスワード等の認証の為の情報を指定の観光案内所等で取得する必要もなく、且つ、メールアドレス等の入力・登録作業も必要とせず、誰でもWi-Fiに繋ぐその場でスグに数回のクリックだけで完結できる認証方式を複数併用で搭載し、利用者個々人が自分で認証方法を選べるようにする。
●Wi-Fi利用者の接続・認証手続き画面上にて簡単なアンケートを展開し、Wi-Fi利用者の属性データを収集、商店街関係者にその集計データをフィードバックする。
●Wi-Fi利用者のスマホ等端末に設定された言語種別を自動識別し、予め用意し搭載した5種類の言語の認証画面から最適なものを自動切り替えで表示する。
●Wi-Fi利用者の接続時に、ブラウザ画面上へ商店街各店舗から個別にメッセージ投稿・クーポン配信を行える情報配信システムとWi-Fi機器を連動させ、各店舗からのダイレクトな声かけがWi-Fi通じて来街者に直接届く仕組みを運用。従来のWi-Fiサービスよりもっとハッキリとした形で各店舗が受益者となり得る仕組みをモニター運用することで、商店会の負担を按分することと各店舗への個別の来店数向上の両立を探る。
以上。