◆帝国劇場は日本の文化・芸術を象徴する大切な場所
東京・丸の内、日比谷通りに面して位置する、「帝劇」の通称で知られる帝国劇場は、日本初の本格的西洋式劇場として1911(明治44)年に開場されました。 開場当時は演劇改良運動があり、発起人の中心として渋沢栄一も名を連ねています。横河民輔により設計され、全階椅子席、ロビーや食堂、喫茶室も備えており、ルネサンス風のフランス様式を模した造りで、帝国劇場は江戸時代からの「歌舞伎小屋」のイメージを一新しています。また、女優の養成を目的に帝国劇場付属技芸学校設立もしています。シェークスピアをはじめとする外国劇とオペラ、イタリア人音楽家ローシーを招いてのオペラ・バレエを上演するなど、国際的な上演も積極的に行い、「今日は帝劇、明日は三越」という当時の広告キャッチコピーが示す通り、消費時代の幕開けを告げるものでした。
◆帝国劇場の近代史
帝国劇場は耐震性が高かった事で、関東大震災の激しい揺れにも倒壊を免れる事が出来ましたが、1923(大正12)年、悲運にも外郭を残して焼け落ちてしまいました。関東大震災の数時間後に警視庁方面から出た火災の被害を受けたのです。それでも帝国劇場は、「大正帝劇」として震災の翌年に再開され、再び賑わいを見せましたが、太平洋戦争中の閉鎖や不況による経営難などで、1964(昭和39)年に取り壊されてしまいました。その後、帝国劇場は1966(昭和41)年に複合ビルの一部の劇場として生まれ変わり、開場記念公演の『風と共に去りぬ』は好評を受け、6カ月のロングランヒットを記録しました。その後も帝国劇場は、ミュージカルや大型娯楽劇を柱に日本の文化・芸術の中心的劇場となり『王様と私』『屋根の上のヴァイオリン弾き』『ラ・マンチャの男』『マイ・フェア・レディ』などのブロードウェーの名作ミュージカルの上演を続け、「日本ミュージカルの聖地」とも呼ばれています。また、『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』などのハイテク技術を駆使した大型ミュージカルも話題となりました。
築34年を迎えた2000(平成12)年、帝国劇場は、建物の配管の赤錆腐食防止と、配管の延命目的でNMRパイプテクター
®を設置しました。
◆NMRパイプテクター
®-NMRPT-は赤錆を黒錆に変え配管を強化する
配管は使用されていくうちに、その内部に赤錆が発生し、配管を劣化させます。この配管内の赤錆は赤水や赤錆閉塞、漏水といったさまざまな配管の問題を発生させます。配管内赤錆防止装置NMRパイプテクター
®は、この赤錆問題の解決が可能です。NMRパイプテクター
®の、その優れた防錆効果によって多くのお客様に選ばれていますが、どのように配管の劣化問題を解決しているのか、その仕組みを説明するとNMRパイプテクター
®は、水の自由電子(水和電子)を利用して、配管内の赤錆を黒錆に還元する事によって配管の赤錆劣化を防止し、配管の延命をします。
◆黒錆の持つ優れた防錆効果
赤錆と異なり黒錆は水に溶け出さず、体積が赤錆の1/10以下という固い結晶の不動態です。赤錆が黒錆に変化する事で鉄の表面に黒錆の皮膜が形成され、鉄を赤錆腐食から守り強化させます。つまり、配管内の赤錆が黒錆に変化して赤水が止まり、赤錆の体積が1/10以下の小さい黒錆へ変わって赤錆閉塞を縮小改善します。 南部鉄瓶や中華鍋など鉄のコーティングとして黒錆は利用され、神社や寺の釘や蝶番にも何百年間も前から使用され、赤錆から鉄を守ってきました。
今まで赤錆除去の主な方法であった配管洗浄では、赤錆を除去する毎に配管の肉厚は減少し、配管強度が劣化するリスクがありました。赤錆を体積が1/10以下の小さな黒錆に変化させるNMRパイプテクター
®は、「配管強度を劣化させることなく」「配管自体を強化しながら」赤錆問題を改善する唯一の技術です。
大きな特徴として、長期にわたる防錆効果の持続性があります。配管の日常的な水の使用量が(1人あたり約200~300L/日)あれば、NMRパイプテクター
®の赤錆防止・更生効果は、40年以上持続されます。結果として現在使用している配管寿命を、建物寿命まで延命して使い続けられるということです。配管内の水中に発生する雑菌を抑え、ぬめりや水垢などの汚れを防ぐこともNMRパイプテクター
®の設置により得られる効果です。洗浄後2〜3年でぬめりや雑菌の繁殖が再発する従来の配管洗浄では、3〜4年毎に洗浄を繰り返す必要があり、洗浄のたびにコストがかかります。また、配管洗浄は赤錆腐食した部分をそぎ落とすため、配管自身が薄くなっていき、配管寿命を短くしてしまう問題もあります。
◆劇場環境の維持にNMRパイプテクター
®-NMRPT-が貢献
2000(平成12)年に帝国劇場の配管延命を目的としてNMRパイプテクター
®は設置されました。帝劇ビルでは機械室は最深部の地下6階にあります。自前の熱源設備を保有して空調を実施し、熱源設備は、蒸気ボイラーやターボ冷凍機などを中心として、冷却塔は屋上(地上10階相当)に集中配置されています。設備や機器類を最深部である地下6階に集中配置したのは、劇場の「静粛性」にこだわった設計の結果であり、設計者の意図は、この静粛性を重視した事の表れと考えられます。鉄筋コンクリートの中に水系の配管を埋設配置している構造からもこだわりを感じます。帝劇ビルは配管内の赤錆対策の為、NMRパイプテクター
®の設置に至った訳ですが、設置以前はかなりの頻度で経年劣化しやすい水系配管など各部の改修やメンテナンスが実施されてきました。
しかし、埋設された配管部分には手を出すことができませんでした。 そこで、NMRパイプテクター
®に白羽の矢が立ったというわけです。NMRパイプテクター
®の設置は複数回に分け実施されました。2000(平成12)年から2002(平成14)年にかけて、3回に分けて設置されています。NMRパイプテクター
®の防錆効果により、今年帝国劇場は築後54年になりますが、配管内の赤錆の発生は完全に抑制され、NMRパイプテクター
®の設置前に発生していた一部での漏水も、設置後の20年間は一度も起こっていません。このようにNMRパイプテクター
®の高い防錆効果が証明されました。
NMRパイプテクター
®は、国内外問わず様々な施設で防錆効果を立証しています。配管内の赤錆劣化対策の際は、ぜひ一度NMRパイプテクター
®をご検討ください。
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コラム#19「帝国劇場にも導入された優れた機能!NMRパイプテクター®」|日本システム企画株式会社