陶磁器の雛人形は一般的に「陶雛」と呼ばれ、日本各地で生産されています。当社でも、長年に亘りフィギュアリン(置物)を制作してきた技術と技能を活かして、製造・販売しています。
この「大親王揃」は、当社の熟練した造形師2名により原型を制作、ノリタケの森クラフトセンターにて生地を製造し、ノリタケアーティストクラブのベテラン講師陣により、当社の伝統的な技法(素描、たたき技法、吹画付、イッチン盛、刷毛塗、転写画付など)を駆使して、ひとつひとつ丁寧に画付けを施しています。
また、江戸後期につくられた「古今雛」(※別紙参照)を参考に、写実的な顔や華美な装束をデザインし、男雛は、平安時代の公家の正装である束帯、女雛は、五衣唐衣装(いつつぎぬからころも)、いわゆる十二単としました。
ノリタケの森の季節展示物(非売品)として、その優美な姿を楽しんでいただけけばと思います。ぜひ、皆さまのご来園をお待ちしております。
■ 展示期間 ■
平成28年1月3日から
4月3日まで(予定)
■ 展示場所 ■
ノリタケの森
ライフスタイルショップ
「パレット」
■ 大きさ ■
男雛 高さ 67㎝、幅 61㎝
女雛 高さ 55㎝、幅 55㎝
≪参考≫
※古今雛/こきんびな
古今雛は、明和年間(1764~72)に、江戸池之端仲町の雛問屋大槌屋半兵衛が、日本橋
本石町十軒店の人形師・原舟月に創らせ、「古今雛」と名づけて売り出したものである。
雛の表情が生き生きとして写実的で、それまで京風を上としていたデザインから独立して江戸の粋を特徴とする雛人形が様々に作られるようになった。写実的な顔と、金糸や色糸などで刺繍が施された見た目のきれいな装束、さらに江戸末期のころには、雛の眼に水晶やガラスがはめ込まれるなど、つくりも精巧で何より華麗である点である。明治時代以降の雛人形は、この古今雛を踏襲したものといわれている。