ファイバレーザの弱点である反射光を克服した業界初のファイバレーザ溶接機、UW-Sシリーズの販売を2016年4月より日本で開始した。従来は『傾ける』ことや『反射光の検出レベルに対する設定を厳しく』することで、ワークからの反射光が発振器に与える影響に対して難儀していた。新機能である『反射光抑制技術』とは、発振器に反射光を戻しても安定したレーザ出力を得ることを可能にした技術であり、市場から銅やアルミなどの高反射材に対する加工ニーズが多いことに対しても、反射光の影響を受けない安定した加工性を実現。出力はシングルモード700Wと、マルチモード1,000W~4,000Wの5機種。UW-SシリーズはYAGのUJシリーズと共に量産効果で低価格を実現させた。その稼働実績と品質に自信を持ってお勧めする商品に仕上がっている。
親会社であるUnited Winners Laser Co.,Ltd. (以下、UW社)グループの2015年度のFL出荷実績は100台以上を誇り、日本仕様は定番の200V仕様となる。世界のレーザ溶接市場の約40%を担うとされる中国市場で、
ファイバレーザ溶接機の需要の60%は電池市場向けである。
ファイバレーザ発振器を製造するメーカは多く、反射光に強いと自称するメーカの中で、実際に反射光を受けて加工が可能な根拠を持つ発振器メーカは少ない。ファイバレーザというブラックボックス化した発振器を量産ラインに投入するユーザは、常にメンテナンスサポートについての懸念を払拭できないのが現状である。UWグループではこの点に置いても国内での迅速なサービスを完結させることが重要であると考え、サービス体制に重点を置き顧客サービスを強化している。
これにより直上からのレーザ照射を可能にした。簡単に言いうと、従来はワークに対して傾けて使うが新型は垂直に照射が可能。
良い所だけ述べているが課題もある。出力光学系付近で結像してファイバを破損させる不具合も想定されます。これらに対しては反射結像しにくい周辺光学系構造と、中途半端な角度を付けないこと、積極的に反射光を発振器に戻すことで事故を大幅に防止させている。
直上照射を可能にしたファイバレーザ溶接機UW-Sは、角度照射に必要な複雑な機構を必要とせず、簡素化された周辺機器で設備の総合コストを下げ、生産速度を向上させることにも成功した事例を持っており、スキャナー等を用いた工法に対しても安定した能力を発揮する。
<主な特徴>
・反射光に強いので、高反射材料の加工が得意となった。
・日本製発振器搭載により国内サービス体制が迅速に行える
・直上照射が可能になり、垂直照射を必要とする加工が可能になった
・レーザ溶接機用途としての出荷実績が豊富(2015年度。108台出荷済)
反射光抑制技術とは?
光ファイバ中での非線形光学効果の一つである誘導ラマン散乱(SRS)を活用した「ラマンシフタ」と呼ばれるフジクラ独自の戻り光抑制機構の技術。
下記を実現するためには、ファイバレーザのコア径を小さくする必要がある。
・ ビーム品質を良くする
・ レンズで集光した際にスポット径を小さくする
一方、コア径を小さくするほど、コアを伝播するビームのパワー密度が大きくなるため、
非線形現象であるSRS光の 割合が高くなる。
SRS光は、ファイバレーザ発振器内のファイバに戻り、逆方向に伝播することで、下記の不具合を発生する原因となる。
・ 励起LDの故障
・ レーザ出力の不安定性
SRS光の発生を抑制するためには、コアを伝播するビームのパワー密度を下げるため、コア径を大きくする必要がある。即ち、ビーム品質と、SRS光の発生の抑制は、トレードオフの関係にある。
特殊ファイバ技術により、コア径を他社製より大きくしながら、ビーム品質を他社とほぼ同等とすることを実現。(特殊ファイバ以外にも、発振器に必要な要素技術を全て自社開発可能な日本製発振器メーカであるフジクラ製品で実現)
これにより、ビーム品質が良く、且つ反射耐性の高いファイバレーザを提供することが可能になった。
耐反射性を評価する際の主の要素であるSRS光の発生を、他社製と比較して、約1%に抑制できていることも確認できた。■ 親会社:United Winners Laser Co.,Ltd.
中国名:深圳市联赢激光股份有限公司
(株式上場しました。(2015年10月14日付け)会社コード:833684)
品質とコストの両面で顧客ニーズを満たすことができる企業は数少ない。中国にはかつて100社以上のレーザ溶接機メーカが存在したが、現在では約20社程度となっている。これは製品を納入した後も顧客の生産状況に応じて24時間体制で技術サポートができる企業は限られていることが、一つの理由として考えられる。
このような中、UW社(United Winners Laser Co., Ltd)は中国・深圳市に本社を置き、2006年9月に設立された。設立のきっかけは、24時間体制生産ラインを稼働している中国国内の顧客から、生産ラインを止めることなくアフターサービスが可能な国産レーザに対する需要があったことだった。当時は中国の製造業が増加の一途にあったが、製品価格が高価でアフターサービスの遅い海外製レーザ機器が主流の中、故障等の原因により生産設備を止めざるを得ない点が顧客の課題として挙げられていた。
現在では中国国内に24拠点の販売網を持ち、合計539人の従業員を抱え、そのうち400人が技術者として働いている(2016年4月末現在)。学士院会員、牛憨笨先生を筆頭とする深圳大学光電子学研究所と技術提携を行うことで、多くの技術特許を持つ牛増強博士を主席技術者に迎え、国籍を問わず個性豊かな豊富な人材を幅広く採用している。技術系では精密機械、デジタル制御、制御関係の各分野、営業系では国内外で実績のある経験者や海外で十数年同等製品の研究をした経験を持つ人材等、大卒以上の学歴を持つ従業員は80%強を占めており、社内の平均年齢は30歳と若い。
■ UW JAPAN株式会社製ファイバレーザとは?
筐体等は中国製を使用し、心臓部である発振器は日本製であるほか、組み立て、出荷調整、検査は日本で行っており、レーザ加工ヘッドやXYZθステージ『EMA-063A』等の周辺機器も併せて販売している。
ただ高性能な発振器を搭載するだけではなく発振器の反射光レベルの最適化や周辺機器の設計等を共有しレーザ溶接機としての性能を最適化させ、能力を発揮させている点が重要。
今後もUW製品を安心して日本で使用してもらうための品質保証と迅速なアフターサービスを充実させ、『安かろう悪かろう』という中国製品に対するイメージを持っているお客様に対しても、日本監修で製造したUW製品とすることで高品質ながらも低価格で購入できる点をイメージして頂けるように今後のレーザ機器需要開拓をしていく。
【お試し頂けます!】
試してみたいサンプルがあれば実験室でお試し頂けます。