大谷技研(株)(神奈川県厚木市)は、吸着パッドをドイツから輸入し日本国内工場向けにインターネットで販売するベンチャー企業です。創業7年で、現在全国に2600社の顧客を抱えます。元々エンジニアの代表大谷圭三氏は言います「中小でこれだけのお客様をもっているのは他に無いのでは。お客様の声を直接多く聞ける強みを生かし、輸入して売るだけでなく、お客様の声を基に開発を行ってきました」そんな製品の一つが吸着ツールです。これは一つのお客様の電話から始まりました「百均の吸盤のように、真空ポンプの要らないのを作ってよ。人が作業するとき配管が邪魔で困っている」。そして吸着ツールが生まれました。この吸着ツールは、真空源(真空ポンプ、エジェクタ)が必要なく、民生の吸盤のようにガラスを手動搬送できます。
液晶テレビ製造工程でのガラスの搬送はロボットで行うことが主ですが、一部手動で行う工程が存在します。ガラスは大型化および薄板厚化しているため、人によるガラスの搬送は困難になってきています。また真空ポンプへの配管は、ロボットによる作業と異なり、人が行う手動作業では作業性を大きく阻害します。吸着ツールは、このような問題点を解決するもので、人による液晶製造装置へのガラスの搬入、搬出に多数採用されています。採用メーカ様は全国の主要なLCDテレビメーカ様です。シャープ(亀山、堺、矢板)、IBM(野洲)、ソニー(多賀城、一宮)東芝(深谷)、パナソニック(姫路)全国の主要なLCDテレビメーカ様です。販売開始4年で、累計販売台数600台を達成しました。
原理は簡単で、展示会で、一般の方には何処が新しいのかとよく聞かれます。しかし、生産技術に携わっている方にとっては、新鮮で驚きの製品です。よく言われるのは「目からウロコ」「ありそうでなかった」。大谷技研は、今後もお客様の声に耳を傾け、世の中に無かった製品を開発していきます。