スマイキー・荒木慎也社長
スマイキーは、インターネット広告を代表とするデジタルマーケティング事業や、ニワンゴ(東京都中央区)が運営する投稿動画配信サービス「ニコニコ動画」周辺のメディア事業を展開している。これから力を入れていくのが、インターネット上の情報を収集し、まとめるキュレーションサービス事業だ。現在は大学生に特化したプラットホームの開発に着手しており、荒木慎也社長は「東南アジアの優秀な学生を日本に呼び込めるようにしたい」と語る。
--ビジネスモデルが大きく変わったようだが
「昨年夏にダイレクトメール事業を売却した。全社的な売り上げの8割を占めていたが、インターネット関連の成長分野に特化するため断行した」
--ニコニコ動画関連の事業に力を入れている
「ニコニコ動画の主なユーザーは10~30代。YouTube(ユーチューブ)に比べて社会性が強いこともあって、企業の間で関心が高まっているからだ。しかし、担当者はどういった形で接してよいのか分からないのが現状。当社にはニコニコ事業に携わっていたメンバーがおり、さまざまな仕掛けを通じて盛り上げるノウハウを持っている。運用・企画を中心に積極的に展開したい」
--具体的な事例は
「KADOKAWAなどによるスマートフォン向けの地域情報サービス『Walker47チャンネル』の運営だ。主にユーザー参加型の企画を展開しており、各地のグルメ・イベント情報や全国の特産品なども紹介する。専用ページも作成、その一つがアデランスの協力に基づくユーザー参加型の育毛プロジェクト『毛-1 グランプリ』。Walker47チャンネルの子チャンネルなどを通じ、随時紹介している」
--新規事業として、キュレーションサービスの強化に乗り出している
「今やフェイスブックは、高校生や大学生にとって使いづらいメディアになっている。多くの年配が利用しているためで、これからは大学生同士の交流が弾むような仕掛けを行いたい。具体的には大学のサークルの主宰者にキュレーターになっていただき、彼らが面白く感じるソフトを開発する。これによって不動産やアパレル、飲食系など大学生と密接にかかわる企業にプロモーションを仕掛け、広告収入につなげる」
--どういったコンテンツを企画しているのか
「大学生が使いやすいレストラン特集などだ。また、関西の大学では、地元以外の地域から学生が集まりにくくなったという悩みを抱えている。関西の学生は笑いのセンスがずぬけているので、彼ら自身をコンテンツとして全国に情報を発信していきたい。アジアでは日本のブランド力が圧倒的に大きいので、東南アジアの大学などと連携しながら日本への留学生が増えるような戦略も考えている」(伊藤俊祐)
【プロフィル】荒木慎也
あらき・しんや オフィス・シューエイ常務を経て、2003年11月シューエイ・スタッフシステム(現スマイキー)を設立し、現職。43歳。東京都出身。
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【会社略歴】スマイキー
▽本社=東京都港区北青山1-4-5 ロジェ青山902
▽設立=2003年11月
▽資本金=1億1445万円
▽社員=10人
▽事業内容=ソーシャルメディアのプロモーション
「フジサンケイビジネスアイ」