マーケティングデータをAIで最適化

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フロムスクラッチ・安部泰洋社長

コンピューターが人間のように学んだり思考したりする人工知能(AI)は、IT技術の急速な発展や、膨大な情報であるビッグデータの処理能力の向上でめざましい進歩を遂げている。膨大なデータを学習し判断能力を高める「ディープラーニング」という技術が進展し、人の仕事を代替する可能性も指摘されている。AIを搭載したマーケティングプラットホームを運営しているフロムスクラッチの安部泰洋社長は「日本の産業のマーケティング力を高め、グローバルで影響力を高める」と意気込んでいる。

--独自のマーケティングプラットホーム「B→Dash(ビーダッシュ)」とは

「広告などのマーケティングコストを見える化して、最適化するツールだ。例えば、顧客の獲得コストが5000円と3000円の施策の2つがある場合、企業は当然獲得コストの安い後者の施策にさらに資本を投下する。しかし、効果は検証できない。一方、ビーダッシュでは、施策ごとの個別の費用対効果を明確にするため、最適なマーケティング戦略を立てることができる」

--導入費用はいくらかかるのか

「月額60万円からの従量課金となっている。既に100社以上の導入実績がある。今後はより普及を加速させるため、今年中に機能や操作性を再設計した中小企業向けのサービスをリリースする」

--家電をはじめとした日本の製造業が苦戦している

「日本の技術力は今も変わらず世界の最先端だが、売る力が乏しいため販売に苦労する状況が続いている。技術大国に加えてマーケティング大国にすることで、国際社会における日本の相対的価値を高めていきたい。そのためには良い商品をつくれば売れるという考えから脱却し、マーケティングをより重要視した考え方に変わらなければならない」

--マーケティングプラットホームはどのように進化するか

「既にビーダッシュにはAIを搭載しているが、積極的に研究開発に投資し、機能を強化させる。こうした取り組みで精度、効率を上げて、分析とリポート作成業務を自動化させる。そうすれば担当者は戦略の策定に専念することができる」

--今後の事業展開は

「東南アジアや米国をはじめとした海外市場への進出と、中小企業市場の開拓を目指す。2020年までに国内と海外の売上比率を5対5にする」(佐竹一秀)

【プロフィル】安部泰洋

あべ・やすひろ 日大商卒。ベンチャー企業を経て、2008年2月リンクアンドモチベーション入社。10年4月フロムスクラッチを設立し、現職。32歳。福岡県出身。

                   ◇

【会社概要】フロムスクラッチ

▽本社=東京都新宿区西新宿7-20-1 住友不動産西新宿ビル17階

▽設立=2010年4月

▽資本金=6億5981万円

▽従業員=110人(2015年12月1日時点)

▽事業内容=マーケティングプラットホームの開発、導入支援など

「フジサンケイビジネスアイ」

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