アララ・岩井陽介CEO ARで世界標準を目指す

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 タブレット型パソコン(PC)やスマートフォン(高機能携帯電話)などカメラ付きの情報端末をかざすと、現実の風景に情報や画像が浮き出すかのように見えるAR(拡張現実)の普及が本格化している。祝福メッセージを贈るグリーティングカードや映画などのプロモーション向けにARのプラットフォーム(基盤)を開発したアララ。同社のアプリ「アラプリ」をダウンロードすれば、タブレットPCやスマートフォンで簡単にARを楽しめる。岩井陽介最高経営責任者(CEO)は、企業のプロモーションにおいて、ARは確実に存在感を増していると語る。

 --アララのARの強みは

 「従来のARでは、プロモーションやキャンペーンをするたびにソフトウエアを開発して画像などのコンテンツとソフトウエアが一体となっていた。それに対し、当社が開発したアラプリでは、利用する企業はコンテンツを用意して当社のサーバーにアップロードするだけで済むので、開発にかかるコストや時間を大幅にカットできる」

 --利用者側のメリットは

 「アラプリを1度ダウンロードすれば、継続的にさまざまなコンテンツを利用できる。アラプリとともに、端末がARを読み込むトリガーとなるマーク『QRAR』を開発した。これは、当社のサーバーのどこにコンテンツがあるかを特定するQRコード(2次元コード)と、ARの出現する場所や大きさ、向きを指定するARマーカーを組み合わせたもの。アラプリをダウンロードした端末をこのQRARにかざすと、ARが出現する仕組みだ」

 --ARの普及状況は

 「企業がプロモーションを考えるとき、フェイスブックなどのソーシャルメディアとスマートフォンに加え、ARがキーワードとなっているようだ。アラプリには、ARと一緒に撮影した写真をソーシャルメディアに掲載する機能もあり、3つのキーワードすべてにあてはまる点で注目していただいている」

 --一般の利用者がオリジナルのARを作ることができるサービスも開始した

 「アララARメーカーというサービス。例えば、このアプリで誕生日メッセージを録画し、作成したQRARをグリーティングカードに印刷して送るといった使い方ができる。新しいコミュニケーションのあり方として提案していきたい」

 --今後の展望は

 「ウェブ系のサービスで日本発で世界中で使われているものがなかなか生まれてこない。当社のサービスがARの世界標準となるよう頑張っていくことを使命と考えている。すでにマレーシアやシンガポールなどから問い合わせも多くいただいている。アラプリについては、2012年末までに世界で100万人のダウンロードを目指す」(松田麻希)

【会社概要】
 アララ株式会社
 ▽本社=東京都港区南青山1-2-6Lattice aoyama B1階
 ▽(電)03・6692・1006
 ▽設立=2010年10月
 ▽資本金=1000万円
 ▽従業員=10人
 ▽事業内容=スマートフォン向けAR(拡張現実)アプリの企画・開発

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【プロフィル】岩井陽介  いわい・ようすけ 関西学院大卒。1989年リクルートコスモス(現コスモスイニシア)入社。その後、リクルートビルマネジメント(現ザイマックス)に転籍。96年にインターネットサービス会社のパラダイスウェブを設立し取締役就任。98年サイバードを設立し専務就任。2006年レピカを設立、08年代表取締役CEO就任。10年10月にアララを設立し、現職。45歳。大阪府出身。

「フジサンケイビジネスアイ」

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