独立行政法人情報通信研究機構
産業振興部門 事業化支援室 佐藤 好英 室長
■情報通信研究機構(NICT)はどのような活動をしていますか
NICTは、もともと国の研究機関として活動していた通信総合研究所が通信・放送機構と2004年4月に統合して発足した独立行政法人です。電波伝搬に係る研究から始まり、有・無線一体とした通信に関する総合的な研究開発を産学官で連携しながら行い、その研究成果を社会に還元することを目的として活動しています。研究部門を主体に、全体で800人の職員がいる当機構には、民間や大学から多くの研究者が招聘されており、研究者たちは日々、電気通信に関する基礎、応用研究を行っています。
■NICTの研究は社会でどのように使われていますか
NICTの研究は、非常に専門的で多岐にわたるので簡単にお伝えすることが難しいのですが、いくつか取り上げるとすると、ひとつは、「日本標準時」の提供です。100万年間で1秒の誤差も生じない正確な時間(日本標準時)を、電波を使って日本全土に供給しており、この標準電波を用いた電波時計が広く普及しています。併せて、電子的な時刻認証に用いられる時刻情報を提供しています。
■研究開発以外の活動は
研究開発業務以外では、情報通信ベンチャーの支援策の一環として、情報通信ベンチャー企業などの皆様にビジネスプラン発表や製品・サービス展示の機会を提供し、資金調達、業務提携、営業促進等のビジネスマッチングの促進を図ることを目的に、「情報通信ベンチャービジネスプラン発表会」を開催しています。
また、11年からは裾野を広げる意味で、全国の起業家の卵を発掘・育成するための学生・若手向けビジネスコンテスト「起業家甲子園」という取り組みを開始しました。情報通信技術(ICT)分野における人材の育成、新規事業の創出などに寄与することを目的に、高専学生並びに高校生、大学生、大学院生、若手(企業所属の社会人も可)を対象として、ICTに係る商品・サービスの開発やPRプランの作成等を通して全国の起業家の卵を発掘・育成するビジネスコンテストです。選抜されたチームは全国大会に招待され、全国大会に向け「担当メンター」からアドバイスや指導を受けることができます。
「フジサンケイビジネスアイ」