株式会社アゴラ 営業部長 柏木 太郎氏
「この出会いは必然」タイミングを察知してマッチングし、双方を発展させる新しい視点のビジネスコンサルティング

取材日:2013年12月16日


株式会社アゴラ 営業部長 柏木 太郎氏

ホームページを拝見すると色々な事業をされていますが、はじまりは、どの事業からだったのですか
 元々は、エレベーターのメンテナンス事業からスタートしていて、弊社の事業は、企業の「お困りごと」を解決するということを基本にしています。現在の事業は、大きくは2つ。「コスト削減提案事業」と「ビジネスコンサルティング」です。「コスト削減提案事業」は、エレベーターの保守メンテナンスのコストの削減、LED照明に変えることによるコスト削減を主に提案しています。エレベーターの場合は、通常メンテナンスを依頼する場合、メーカーの系列サービス会社(メーカー系)にするか、独立系にするかという2つの選択になります。一般的に、独立系の会社を選んだ方が、メンテナンス費用が安いといわれています。また、メンテメンスの契約形態も2通りあり、FM契約(フルメンテナンス契約)とPOG契約(消耗部品付契約、POGとはパーツ、オイル、グリースの頭文字)の2種類があります。FM契約は一定の料金で長期間の安心をお約束できますが、POG契約は、部品の取替費用が契約料金に含まれない保守契約なので、有償となる部品の取替や修理などは、その都度お客様のご確認をいただいてから実施しなければならないという違いがあります。 このような違いをお伝えして、ヒアリングをさせていただき、お客様に合った形でコスト削減の提案をいたします。LEDについては、主に病院・老人ホーム・商業施設向けに、 照明器具を各種LED照明に取り替えることで電気料金を大幅に削減できることを提案し、更には、削減された電気料金の中からリースできるようなプランもご提案しています。その他、「抗菌・消臭商品導入事業」も行っています。
これから、力を入れていきたいのが「ビジネスコンサルティング」事業でしょうか
 現在、私の父が社長をしておりますが、今お話ししたような事業は、父が始めた事業です。私が新規事業として手掛けているのが、コンサルティング事業です。具体的には、ベンチャー企業の成長をプロデュースしたり、「刺激的な出会い」を求める企業「一生付き合えるパートナー」を探している企業に対するマッチングを行っています。これを始めるようになったキッカケは、たまたま、私と同じ年代(35歳~45歳)の社長が周辺に沢山いて、その方たちの役に立つかもしれないと自分の知人や会社を紹介していたことが始まりです。父の代からの人脈、私自身の人脈も合せて、非常に幅広いネットワークを築いているので、そこを活かしてピンポイントで「○○な人材や会社とのつながりが欲しい」と困っている会社に、まさに「こういう人材や会社がピッタリ」というマッチングを事業化しました。実際にあった例ですが、ある建設会社から「塗装業者を探しているがどこか知らないか」と相談を受けました。その時期は、繁忙期でどこも手一杯で急には無理な状況でした。ところが、私どものネットワークですぐに探すことができ、大変喜ばれました。 建設関係のみに止まらず、飲食、アパレルなど様々な業種のマッチング事例があります。
人脈というのは、築こうと思って簡単に築けるものではありませんよね
 私は、普段から「出会いのタイミング」ということにこだわっています。先ほどお話した塗装業者の例も、建設会社から相談を受ける少し前にたまたま、「いい塗装業者さんがいる」と別の方から紹介頂いたばかりでした。そこに建設会社さんからの相談が来た訳です。その他にもたまたま記事で取り上げられていた企業に数日後に会うことが出来たり、新規にマンション管理業務代行業を始められた方に、「誰かマンションの理事長を紹介してもらえないか」と相談され、知り合いのマンション理事長に「管理業務を代行してくれる会社があるんだが・・・」と話をしたところ、ちょうどそういう所を探していたとすぐに面会が叶ったりと、このような「たまたま」という偶然を必然の出会いとして「絶対的なタイミング」だと信じられるかどうかで、人とのつながりが築けるかどうか大きく変わってくると思います。また、「ビジネスを楽しむこと」を理念としていますので、人に会うときは「この人とだったら一緒に仕事をしたいと思えるか」「楽しいことができそうか」という観点で人に会いますし、紹介する時は「自分に何が出来るか」「役に立てるか」という観点で紹介します。目的は、そこから新しいビジネスアイデアが生まれたり、コラボレーションによって双方が発展できればいいと思っています。世の中に無駄な会社など無いと思っています。
中小企業やベンチャー企業がこれから人脈を作っていくにはどうしたら良いでしょうか
 まずは、知ってもらうことだと思います。「こういうことをしているこんな会社があります。」と自ら発信することです。何をしているのかもわからなければ、紹介もしてもらえません。こちらの「イノベーションズアイ」のようなビジネスポータルに登録することも有効ですが、簡単に始められるものとしては、ブログを毎日更新することでもいいと思います。プレスリリースを配信したり、交流会、セミナー、展示会など自分から出会いのための時間を作って出向くことが大切です。私の場合、そこで単に名刺交換で終わらせずに、記憶に残るアピール方法を工夫しています。先日もビッグサイトで開催されたとある展示会に普通の来場者として赴き「ここだ」という出展企業に名刺交換といっしょに自分のアピール資料を渡しました。その後、何回かお会いすることになり最終的にはお互いのお客様を紹介し合う関係に発展しました。そのように、先ほどもお話した「出会いのタイミング」に一歩踏み出せるかどうかに懸っているのではないかと思います。
今後について教えて下さい
 最初にお話したように、弊社は、お客様の「困りごと」を解決する事業からスタートしています。LED照明交換によるコスト削減の提案を老人ホーム中心にしているのも、老人ホームはどこも経営がギリギリで少しでも経費を削減したいという現状があって、そのために私たちができることは何だろうと考えたことから発した事業です。現在の提案先もコスト削減効果を出していますので、他の施設にもエリアを拡大していきたいと考えています。また、個人的に今までの人生を振り返って「自ら発信」が好循環を招いています。即、ビジネスに結びつかなくても「知ってもらうだけでいい。知ってもらえば選ばれる」の信念で続けていきたいと思います。
インタビュー:河合 美智子

略歴

株式会社アゴラ 営業部長 柏木 太郎氏

建設会社、バイオ関連、インターネット関連、製造業などを経て、株式会社アゴラ入社。
現在は、株式会社アゴラで営業部長兼コンサルティング業務を手掛ける。
2011年イノベーションズアイ120秒プレゼン大会において審査員特別賞を受賞。

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