株式会社ネオレックス 取締役副社長 駒井 研司氏
夢や目標の実現をお手伝いするアプリを、日本中へ、そして世界へ

取材日:2012年5月30日


株式会社ネオレックス 取締役副社長 駒井 研司氏

まず、御社の事業について教えてください。
 ひとことで表現するなら、私たちは技術ベンチャー。自社で製品を開発して、自分たちでそれを広めるというのが基本スタイルです。ただ、ベンチャーと言っても実は設立からもう25年。本社は名古屋ですが、東京に事務所を持つようになってからでもすでに15年になります。

 現在、主力となる事業は、クラウド勤怠管理システム「バイバイ タイムカード」です。これは名前通り、タイムカードの代わりとなるインターネットを使ったシステムで、ある意味、セミオーダー的な仕組みを持っています。これまで利用されていたものの多くは、安いけれど個別のニーズにはほとんど対応できないシステムと、すべてのニーズを満たしてくれるけれどとても高価なシステムでした。「バイバイ タイムカード」はそのいいところをほどよくミックスし、個別のニーズに臨機応変に対応しながらも安価で利用できるのが特長です。

 こうした、これまでにない独自のシステムを生み出していくのが、私たち技術ベンチャーの本分です。
現在、特に力を入れているサービスはありますか。
 昨年から新規事業として開発し、提供に取り組んでいる「MyStats(マイスタッツ)」です。現在は、iPhoneアプリとして無料で提供しています。開始から現在までに、世界74カ国で10万人以上の方々にダウンロードしていただいています。

 「MyStats」は、自分の活動を記録して分析するためのツールです。つまり、自分が「いつ」「なにを」したかを記録し、円グラフなどで目に見える形にすることで、自分が「なにに」「どれくらい」時間を使っているかを分析することができます。また、今日の売上や体重、読んだ本のページなど1日単位で記録するものならば、その推移や累計を折れ線グラフによって分析することもできます。

 こうして自分の活動を記録・分析することでなにができるかといえば、まず、なにかに取り組む際の意識が変わります。自分を客観視することで成果も得やすくなります。そしてなにより、時間の使い方を改め、時間を生み出していくことができるのです。
「MyStats」を使うことで、具体的にどういった効果が期待できますか。
 活動を記録、分析するというと、いかにも「管理」されるような堅苦しさを連想されるかもしれませんが、「MyStats」はそういうものではありません。夢や目標があるとしたら、それに向かって頑張る自分を客観的に見直し、時には自分で自分を褒め、叱咤することで、自然と「成果を上げるための動き」をするようになります。

 実際にビジネスパーソンからは、「無駄な時間を発見でき効率を上げられた」「時間を取るべき仕事が見え、しっかり時間を割り当てられるようになった」というご意見をいただいています。また、受験生や資格試験に取り組んでいる方たちからは、「科目ごとの学習時間のバランスが取れるようになった」「成績の推移が明確になってもっと頑張れるようになった」という声もいただきました。その他にも、大学生や主婦、アーティスト、アスリートなど、さまざまな分野の方が、さまざまな使い方をされています。ある女子高生の「MyStats」は、授業の課題やクラブ活動、期末テスト、検定試験など、めまぐるしいほどのスケジュールをきめ細やかに、しかも軽やかに記録されていて、非常にうまい時間の使い方をしているなと、思わず唸ってしまうほどでした。
他にはない「MyStats」の特長やアピールポイントをお聞かせください。
時間の使い方を記録して円グラフにするアプリは他にもあります。また、体重など日々の推移を記録して折れ線グラフにするアプリも他にあります。けれど、これらを統合的にひとつのアプリで実現しているのは、私たちが知るかぎり「MyStats」しかありません。そしてなにより、単なる管理ツールではなく、「ユーザーの夢の実現をお手伝いすること」を明確な目的としているサービスは、私たちだけだと思っています。
「MyStats」にかける思いや未来像を教えてください。
 もともとは、ドラッカーの著書「経営者の条件」に書かれていた内容に触発され、私自身が手帳とExcelを使って行なっていた自己管理の手法をそのままアプリにしたのが「MyStats」です。だから、このサービスに対する思い入れはとても強く、もちろん、その効果には実績に基づく自信もあります。なにしろ、自分自身が経験をし、試行錯誤しながら今の形を作り上げてきましたから。

 だからこそ、「MyStatsのお陰で頑張れた」という言葉を、ビジネスで、芸術で、スポーツで、政治で、あらゆるジャンルで耳にしたい。日本だけでなく、世界中からそんな声をいただくのが未来像、と言うよりも将来の夢です。
今後の展開、御社の将来像などをお聞かせください。
 まずは「MyStats」を日本に普及させること。さらに、米を中心に世界各国へも広げていくことが最優先事項です。その先に、マネタイズの仕組みを作っていくことがあります。そのためにはいくつもの選択肢があり、現在、実験や検討を重ねています。

 私たちは大企業ではありませんし、今後も必要以上に規模を拡大していく予定はありません。少数精鋭の技術者集団として活動をしていきます。それは、私たちの個人的な想いとしての「やりたいこと」と、お客様の「ありがとう」が重なるポイントを常に模索しながら、自分たちが面白いと思えることに全力で取り組みたいから。そうした「やりたいこと」と「ありがとう」がピタリと重なる中から、新しい「文化」を生み出していくことが、私たちの目標であり、理想です。
インタビュー:伊藤佳代子

略歴

株式会社ネオレックス
取締役副社長 駒井 研司 氏

PwCコンサルティング(現IBM)を経て現職。
「MyStats」発案者。

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