株式会社SOBAプロジェクト 代表取締役社長 乾 和志 氏
ビジュアル・コミュニケーションで社会に貢献
取材日:2011年5月11日
- 事業内容を教えてください。
- 複数のユーザーが多様なメディア(映像、音声、アプリ画面やテキストなどのデータ)情報を双方向で共有・享受することができるP2P(ピアツーピア)型ネットワーク・アプリケーションを産学官連携のプロジェクトで開発しました。SOBAのソフトウェアを形作るための枠組みとなるソフトウェア基盤技術が“SOBAフレームワーク”です。P2P方式を活用した技術であるため、サーバレスで手軽に遠隔地のユーザーと情報共有や共同作業を可能にするシステムを柔軟に実現することができます。
ビジネスとしては、SOBAフレームワークの上にアプリケーションを構築したWEB会議システム「SOBAmieruka(ソーバミエルカ)」と教育向けのインターネット個別指導システム「SOBAschool(ソーバスクール)」をパッケージソフトとして展開しています。もうひとつは、そのフレームワークをベースとしたアプリケーションの受託開発をおこなっています。
- 御社の強みは。
- SOBAフレームワークというミドルウェアをもっているので、アプリケーションの開発が非常に簡単にできることが特長です。WEB会議システムなどの機能拡張も容易におこなえます。SOBAフレームワークは、P2P方式という技術をつかってコンピューター同士をダイレクトに繋ぐので通信効率がよく、セキュリティが高いというユーザーからみたメリットも非常に高いと考えています。
- 市場ニーズはどうですか。
-
インターネット個別システムは、教育向けでリアルタイムに遠隔地で学習できるソフトは世の中に少なく競合があまりないので売りやすい商品であります。ただ、知ってもらう機会が少なく、プロモーションが手薄になっているところが課題ですが、逆に知ってもらうと、契約に至るケースが多く出てきます。まだまだこれからの商品だと思います。
- 今後の展開は。
- WEB会議システムに関しては、弊社ならではの特長を活かした機能を取り入れたいと考えています。例えば動画の共有や映像資料を遠隔で同じようにみられる機能です。
また、通常のWEB会議システムでは、PC1台に1つのカメラを接続しますが、SOBAフレームワークではPC1台に複数台のカメラ接続することが可能です。具体的には、1つのカメラでは顔を映し、他のカメラでは現物の商品などを映し、会議をおこなうことができるようになります。今後も私たちにしかできない機能を増やしていきたいです。
- ユニークな社名ですが由来はありますか。
- “Session Oriented Broadband Applications”=ブロードバンド時代のためのセッションアプリケーションの頭文字をとってSOBA、「SOBA(ソーバ)プロジェクト」と名付けました。
「テレビ会議があれば、いつも“そば”に」「傍」(そば)=SOBAです。
SOBAプロジェクトはどんな遠くでも、いつでも傍にいるようなビジュアル・コミュニケーションを可能にする技術で社会に貢献したいと考えています。
略歴
1963年5月29日 愛媛県今治市生まれ
趣味:バイク、料理
1986年 広島大学 工学部 第一類 卒業
1986年 立石電機株式会社(現 オムロン)入社
1989年 OA統括事業部 EWS商品開発室
1991年 米国USL(Unix System Laboratories)にてUNIX System-V R4マルチプロセッサバージョンの開発プロジェクトに参加
1992年 FA業界向け次世代PLC(プログラマブルロジックコントローラ)開発
1997年 リアルタイムJavaの開発に参加、Javaをリアルタイム化することで産業分野でのJava活用を狙う。
1998年 SOBAプロジェクトに参画(オムロン株式会社の社内ベンチャー第1号として出向)
2005年1月 株式会社SOBAプロジェクト設立 取締役副社長に就任
2011年3月 株式会社SOBAプロジェクト 代表取締役社長に就任