全国中小企業団体中央会 政策推進部長 及川 勝 氏
協同組合によりスケールメリットを!
取材日:2011年2月10日
- 全国中小企業団体中央会とは、どのような組織ですか。
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- 協同組合をつくるのに制限はありますか。
- 中小企業であればどなたでも組合をつくることはできます。中小企業だからこそ共同事業ができます。大企業が共同販売、共同購入を行いますと、独占禁止法に抵触することとなります。共同事業を堂々と実施できることが中小企業組合をつくるという大きな意義のひとつです。中小企業組合は独禁法の適用除外団体です。なぜかというと、数社が共同事業体となって初めて競争単位となれるということです。だから競争力を強化するためにもっと組めということです。中小企業だからもっと組めということです。これがまだまだ使われていないので勿体ないです。
- 協同組合のわかりやすい例はありますか。
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例えば、赤帽組合は本部が軽自動車などを共同購入して、スケールメリットを生むなどしています。1社ではできないですよね。赤帽の自動車には○○運送とか自分の事業所名も入っていますよね。そしてその事業所の個性を出すために、冷凍も運べるとか小回りが利くサービスとかつけている業者もいます。商店街などもそうですね。チケット、ポイントとか祭りをやるとか共通券をつけるとかの対応もそうですね。産官学の仕事をやる場合にもいいと思います。協同組合として認可をもらうので、政府・自治体の関係者が会ってくれたり、大学の先生が会ってくれたり、1事業者ではできない仕事の可能性も増えます。ネットワークを拡大できるだけでもつくることに価値はあると思います。
協同組合をつくるにはどのようにすればいいですか。
全国にまたがるような事業者がいる場合は、大臣認可になるので全国中小企業団体中央会が担当します。各都道府県やまた複数の都道府県に事業者がまたがるような場合は、各47都道府県にある中央会が担当します。最寄りの中央会が事業計画や収支予算の作成のアドバイスをおこないます。
共同で儲かる仕組みをつくるので集中と選択をどこでするのかが大切なので、自分が得意なところでどのようにチームプレイをおこなうかが大切になります。集中すると決めた事業に一蓮托生になって組織をつくれるかがポイントになります。最近では、課題解決型の組合も増えてきています。安心・安全・環境など、地域の困ったことをどうやったら解決できるかなど、事業として解決するのに異分野、異業種で組んでいくのも面白いと思います。
- 今後の展開は。
- 海外にいく中小企業あるいは行った企業と共同事業をする組合をつくっていきたいです。日本からいったからさよならではなく国内や海外ともいろいろな関係も出てきますので、国内完結型ではないグローバルな組合をつくっていきたいです。
略歴
1959年生まれ。
1983年入会
2009年政策推進部長 現在に至る