株式会社エスペシャリィ 代表取締役 小島 彗来
ペットの気持ちを考え、みんなができることを!
新型コロナウイルス禍で在宅勤務が定着したことに伴い、楽器演奏やソロキャンプなど、巣籠系やアウトドア系の趣味を楽しむ人が増えている。同様に、ペットを飼う人も増えた。しかし、さまざまな事情で手放されたり、一日中自宅で留守番するペットも多い。商品としてのペットや捨てられたペットの殺処分などの問題もある。動物に対し、自分に何かできることはないか。実業家の小島彗来さんは、こんな思いから「ぺっとのきもち」を設立。事業を通じてそれぞれのペットの幸福を追求する取り組みを本格化しようとしている。
- ――ぺっとのきもちはペットをめぐる課題解決を活動方針に掲げていますね
- この会社は4年ほど前に設立しました。私自身ペットが好きだということがベースになっています。ペットを飼っていても、出張などで留守にすれば寂しい思いをさせることにもなります。殺処分なども大きな問題です。そんなペットのために何かできることはないだろうか。自分でできることから始めよう。そんな思いで会社を設立しました。
- しかし、自社で動物を保護するためのアニマルシェルターを運営するのは荷が重いと考え、まずはそうしたシェルターの支援から始めよう、と考えました。事業の柱はペット用品の製造・販売ですが、ここで得た売り上げの一部を活用した支援を進めています。と同時に、シェルターに対する募金を支援するために、7月からコミュニティFM局のラジオ番組も開始。これを通じたシェルターの紹介なども始めました。
- ――ラジオ番組での支援とはめずらしい展開ですね
- 番組名も『ぺっとのきもち』です。レインボータウンFM(東京都江東区)で日曜日の午後9時半からの30分間。シェルターの関係者にとどまらず、獣医や専門家、愛好家などペットに関係するさまざまな人をゲストに招き、ペットにまつわる話題を取り上げていきます。ペットに関するニュースやお役立ち情報なども発信します。
- やはり殺処分などをなくせるようにするためにもシェルターの役割は重要です。ペットを飼いたい人がシェルターの譲渡会を訪れる、というスタイルが普通になれば、ペットを取り巻く環境は変わると思います。そのために支援を続けていきます。ラジオ番組もそのための取り組みのひとつです。
- ――そのためには、ペット用品の製造・販売という収益面の強化も欠かせませんね
- ネコの肉球をケアする『2Q9Gel(ニクキュウジェル)』とか消臭シートなどを商品化しています。これらは植物など天然由来の原料を使用するもので、ペットの口に入っても問題ないなど高い安全性を特徴としています。ただ、会社を設立し、商品を用意するやいなやコロナ禍になり、準備は難航しました。コロナ禍も落ち着きましたので、これから本格化したいと思います。
- 生産面では、OEM(相手先ブランド)生産などを模索してきましたが、量の関係もあり難しそうです。このため、自社での生産も検討しています。代理店なども探していく必要がありそうです。これら商品の販売がペットをめぐる支援の原動力となりますので、強化していく必要があります。
- ――コロナ禍でペットを飼う人も増えました。そのコロナ禍も節目を迎え、今後は新たな課題が出てくるかもしれませんね
- ペットのためにできることをしてあげたい、と多くの人が思い、実際に行動していただけるようにすることが重要です。実際の支援とともに、そのための啓発活動も続けていきたい。その一方で、飼い主側にも、ペットが亡くなった際のペットロスなどがあります。ペットは大事な家族ですからね。そうした人にも役に立つ情報を発信し、次に向っていけるよう支援していきたい。
- いろいろやりたいことはありますが、自分にできることは限られていますので、自分にできることしていきたい。と同時に、多くの人にどんな形かを問わずかかわってもらいたい。われわれの支援をより広げていくためには、ベースとなる事業拡大も進めなければいけません。今後もそのため挑戦を続けていきます。
株式会社エスペシャリィ 代表取締役
ぺっとのきもち株式会社 代表取締役
1985 年より社員研修、司会、ナレーション、イベント企画制作などの仕事を始め、2008 年にエスペシャリィを設立。
2011 年、オレンジ・レスキュー合同会社を設立し文化人のマネジメント等を行う。
2017年、起業家育成セミナーと女性の自立支援をサポートする一般社団法人TAPを設立。
2019年、ぺっとのきもち株式会社を設立。
ぺっとのきもちWebサイト: http://petnokimochi.co.jp/
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