バイオ素材・バイオケミカル市場への2014年の投資総額は10億ドル規模へ
昨年より投資が増加、市場の成熟によりレイターステージへの投資が目立つ(ラックスリサーチ調べ)
2014年10月30日 – 先端技術における技術・市場動向調査を行うラックスリサーチ(本社:米国ボストン)の調べによると、2014年のバイオ素材・バイオケミカル市場に対する投資は2013年に対し28%増加し、9億7400万億ドルに達することが分かりました。景気後退を乗り越えて成長してきた企業は市場の成熟と共に投資家の信頼を勝ち得ていることが伺えます。
ラックスリサーチのリサーチアソシエート、メラルド・アントニオは、『バイオケミカル市場におけるベンチャーキャピタル投資動向(“Dynamics of Venture Capital Funding in the Bio-based Chemicals Industry”)』と題したレポートにて、次のように指摘しています。
『市場の成熟化と研究開発から生産段階への移行に伴い、過去2年間でバイオ素材・バイオケミカル分野における投資はレーターステージへと移行しています。コーポレートベンチャーキャピタルによる投資も増加傾向を見せており、大手企業が同分野の戦略的重要性を認めていることを象徴しています。』
ラックスリサーチでは、バイオ素材・バイオケミカル分野におけるベンチャーキャピタルおよびコーポレートベンチャーキャピタルによる出資状況に加え、IPO、買収・合併動向を調査しました。下記が調査結果の一部です。
• 北米を拠点とする企業へ投資が集中。技術開発を手がけるスタートアップ企業の活動および投資活動が活発な環境であることから、北米を拠点とする企業が過去3年間で、ベンチャーキャピタル投資総額の87%に相当する22億ドルの資金提供を受けています。
• 発酵技術への投資が最大。投資対象の技術としては発酵技術への投資額が最大となっています。2000年以降、同分野の技術開発者に対し総額30億ドルの資金が注入されており、ピーク時である2011年は年間4億7560万ドルにも及ぶ投資が行われました。
• 企業買収・合併(M&A)が増加中。Gevo社やAmyris社などの株価が低迷していることから、上場企業に対する投資熱が冷めており、結果、スタートアップ企業はIPOを取りやめ、他のエグジット方法を模索しています。また、Stora Enso社によるVirdia社の買収、Renewable Energy Group社によるLS9買収、Cereplast 社による安価でのTrellis Earth 社の買収など、買収・合併が相次いでいます。
『バイオケミカル市場におけるベンチャーキャピタル投資動向(“Dynamics of Venture Capital Funding in the Bio-based Chemicals Industry”)』レポートは、ラックスリサーチの『バイオ素材・バイオケミカル』インテリジェンスサービスにて提供しています。