【ニュースリリース】
データから読み取るトレンド:石油・ガス産業での研究開発動向
2万3000を超える石油技術者協会メンバーによる論文を分析した結果、
油田からの回収最大化が引き続き主要な研究対象、社外との共同研究も増加
先端技術の技術評価と市場分析を専門とする米調査会社ラックスリサーチ(本社:ボストン、www.luxresearchinc.com)は、米・石油技術者協会(Society of Petroleum Engineers)のメンバー、2万3000人により執筆された論文を対象にキーワード分析を実施し、『メタデータを活用する:2万を超える石油・ガス関連の論文から注目の集まる技術やトピックを分析(Making Use of Metadata: Analysis of Over 20,000 Oil and Gas Technical Papers)』と題したレポートにまとめました。
石油・ガス産業は過去2年間で大規模な経費削減を行い、スタッフの大半を失ったエグゼクティブも多くいます。そのため、組織のトップレベルが提携先模索や技術やソリューションのスカウティングを行なっている企業も多くあります。本調査では、石油技術者協会の論文を対象とし、キーワード分析を行うことで、石油・ガス産業で現在特に注目されている研究開発テーマを特定しました。このように産業レベルで行われている調査からテーマやトレンドを発掘することが、技術面、コスト面を含めた課題に答えていくカギになります。
下記が調査結果の一部です。
• 石油増進回収法がターゲット。論文のキーワード分析の結果によると、水圧破砕法、石油増進回収法、坑井シミュレーションへ研究が集中していることがわかりました。
• 共同研究が増加。ネットワークマップが示すように、石油・ガスサービスやオペレータのチームにより共同執筆された論文が増加しています。もっとも多くの研究報告を発表しているシュルンベルジェは2012年時点ですでに6社との共同研究を行なっていますが、2016年時点も共同研究が最も多く、共同研究先は14社に増加しています。
• スタートアップや大学による論文も注目を集める。石油産業は他産業と比較してスタートアップ企業の活動が活発とは言えませんが、MicroSeismicやIngrainなどのスタートアップ企業や、テキサスA&M大学やノルウェー科学技術大学などの大学の論文が800回以上閲覧されるなど特に注目を集めました。
図: シュルンベルジェが最も多く共同研究を行なっている(2016年)
本調査を担当したラックスリサーチのアナリスト、コリーン・ケネディーのコメント:
『ラックスリサーチの調査では、石油・ガス関連企業のスタッフの57%が研究調査レポートを参考にして意思決定を行うとしたものの、同時に、回答者の多くが年間で限られた数のレポートしか読んでいないとも答えています。水圧破砕法からデジタル油田まで、技術トレンドは変化し産業を大きく変えつつあるため、最新の研究調査に隠されたデータやインサイトをより積極的に活用する手段を確保することが必要です。』
本調査レポートはラックスリサーチの資源探査と生産インテリジェンスサービスにて提供しております。