サーチファーム・ジャパン株式会社(エグゼクティブサーチ事業 千代田区 社長 武元康明)では、2015年(1~12月)役職別の採用実績において「部長職」が前年比61%増となりました。
専門性の高い実務層である課長職以下での採用実績が増加した2014年に比べ、2015年は経営と現場、他部署との調整など組織のタテ・ヨコの連携をはかる上で不可欠な組織の要(ミドルアップダウン型組織の中核的存在)といえる「部長職」のスカウトが増加しました。企業は「次代の経営者」を強く求めているようです。また、「部長職」の実績を年齢別にみると、実績と経験を十分に積んだ40代が46%と約半数を占めました(図1)。
「部長職」のスカウトが増加した要因のひとつに、時代背景が挙げられます。
決定人材の半数以上を占める、40代半ば~50代前半は1990年前後のバブル期に大量採用された世代です。そのため総数は多いが、バブル崩壊後の研修削減のあおりを受け、企業による教育環境が整わず、マネジメントやリーダーシップについての研修を受けていないケースも見られます。そのため、個人による能力の差が激しい世代とも言えます。さらに採用人数の多さから役職が不足し、マネジメント未経験者が多いのも特徴です。その一方で、時代の変化が激しいことから、企業が担当分野を細分化するなど、求められる「部長職」も多様化しています。
企業のミドル層以上の採用は年々「スキル・キャリア」でなく「人物(人格・人柄・人間性)」を重視する傾向が高まっています。こういった「企業が求める部長職」が不足傾向の中、単なるスキルマッチングや自薦情報ではミスマッチが起こる危険性も高いのが実情です。このため、評判情報の収集や企業と候補者の価値観の共有を進めながら該当人材を探し出す「エグゼクティブサーチ(サーチ/スカウト)」ならではのノウハウが奏功した結果だともいえます。
2015年「部長職」を採用した68%が非上場企業、32%が上場企業でした。採用決定人数を業界別(図3)にみると、製造業 28%、サービス業28%、情報通信17%、病院 14%、小売・流通・卸10%、金融3%となっており、職種別(図2)を見ると全体の約半数の48%が経営・企画職を占めています。特に事業拡大を目指した新規事業開発やM&A、IPO、海外事業展開等の責任者となる人材が求められました。
職種別では、2014年に比べ管理部門が4倍に急増。(図4) 海外展開や事業展開を見据えた組織の管理体制強化のための財務・法務部門の責任者の獲得が目立ちました。優秀な「部長職」を求める傾向は、企業が「攻め」の採用と事業展開を行うであろう2016年も続くと予想します。
弊社は、エグゼクティブサーチ(サーチ/スカウト)により、人材の「適材適所」「偏在の解消」を実現し日本経済の浮上に貢献して参ります。