マックスRの二宮雅規社長
日本人は「英語が話せるようになりたい」という憧れや、英語が話せないコンプレックスから英会話を学ぶことが多い。
だが実際は、英語は「話す」ことよりも、Webサイトや仕事などのメールや文章、TOEICやTOEFLを始めとする資格試験にいたるまで、「読む」機会のほうが圧倒的に多い。TOEICの受験者や、海外との仕事や留学の経験者なら、膨大な量の英語の文章に悩まされたことがあるはずだ。
また、英文を読む力は英語力の基盤でもあり、リーディング力が向上すれば、リスニング力も向上し、インプット力が高まるという相乗効果が期待できる。
リクルートに入社後、米ニューヨーク市での不動産調査やUCLAへのMBA留学等で大量の英文に苦労した経験を持つマックスR(東京都新宿区)の二宮雅規社長=写真=は、日本語の速読を学んだことをきっかけに「日本人でも英語の速読ができ、英語に対する苦手意識もなくなったら、どんなに素晴らしいか」と思い立ち、日本人に合った英語速読法を開発。2014年3月にマックスRを設立し、同年4月から「Max Reading」
http://max-reading.com/"のブランドで英語速読レッスンを開始した。
二宮社長によれば、「Max Reading」は英語を勉強する学校ではなく、英語の速読力を鍛える「脳トレ」ジム。ダイエット法にたとえると、インナーマッスル(体の深層部にある筋肉)を鍛え、基礎代謝を向上させるのに似ている。速読理論レクチャーと実践的なレッスンを通じて、英語が苦手な人でも、英文の読解スピードが2~5倍以上、すなわち読解スピードが1分当たり平均200語以上といわれるネイティブスピーカーよりも速く英文を読めるようになるという。
「日本人は中学、高校の頃から正確な和訳や文法中心の授業を受けているので、英文を一字一句頭の中で声を出して読んだり、『きちんと訳さなければ意味が理解できない』と思い込み、知らない英単語があると止まってしまうという人が少なくありません。楽しい『脳トレ』を繰り返すことで、そうした『癖』や『意識』を取り除き、もともと私たちに備わっている脳の力を発揮させるのが『「Max Reading』なのです」と二宮社長は語る。
「Max Reading」は、2時間の体験セミナーでその即効性や内容を確かめた後、60分のレッスン×10回のコース(約2~4カ月間)で習得するのが基本で、新宿のレッスン会場では約150人の生徒が学んでいる。ネイティブ平均の2~3倍以上速く読めるようになる人も珍しくなく、その効果や評判を聞き、福岡や長野等の遠方から通っている人もいる。
初回に速読理論のレクチャーを受けたあと、レッスンが始まる。1クラス通常6人以内の少人数編成で、自分の英語力に合った教材を選び、皆と一緒に座って英文を読む。1分間で英文を何単語読めたかを計測したあと、眼筋を動かすトレーニング、ヨガ的な呼吸法や体のストレッチ(リラックス法)、英文を「塊」でとらえる各種「チャンキング」等の目や脳のトレーニングを行う。その後、英文の読解スピードを再計測し、どれだけスピードや理解の感覚が向上したかを確認する。
即効性が高く、体験セミナーだけでも、英文が平均で1.8倍速く読めるようになり、レッスン受講後わずか1カ月でTOEICの得点を700点から830点にアップさせた人もいる。
英語の速読力を鍛える「脳トレ」を通じて個人の潜在能力を引き出し、リスニングも含めた英語のインプット力を高め、英語を学ぶ人たちが会話も含むスキルを飛躍的に高める起爆剤になることを目指す。今後、レッスン会場を増やして「Max Reading」の普及に努めるほか、アジアの主要都市を中心に海外展開も行い、英語を第二外国語として学ぶ人たちのサポートを広く行っていく考えだ。
「フジサンケイビジネスアイ」