リサイクルショップ「エンターキング」の店内=千葉県船橋市の習志野店
書籍や音楽・ゲームソフトなどのリサイクルショップ「エンターキング」を展開するサンセットコーポレイション(千葉県市川市)は、ドリンクサービスや遊具のレンタルなどの無料サービスを提供し、長時間滞在型の店舗にして集客力を高める。首都圏の全33店舗のうち、昨年11月に開店した草加店(埼玉県草加市)を含め5店舗が各種無料サービスを実施、さらに他店舗にも拡充する計画だ。
5店は「お金がなくても楽しめる」を前面に押し出し、CDの視聴機やインターネットの利用をはじめ、ボードゲームなど遊具のレンタル、携帯ゲーム用の充電器、さらにはドリンク1杯分を無料で提供している。なかでも、トレーディングカードで対戦できるスペースを設けたところ、学生の来店が増え、休日にはファミリー層も増加したという。
各種サービスの提供により、店内の滞在時間が大幅に増え、結果的に店内の中古商品の「ついで買い」につながり、「5店舗の集客数は以前の2倍、売り上げが1.5倍となっている」(広報IR室)という。
ほかにも、同社独自のPOS(販売時点情報管理)システムを充実させ、常に最新の価格動向を把握することで、人気のゲームソフトやCDなどを、最大で定価の約80%と高価で買い取ることができる点も人気を支えている。
取り扱う商材も、本などにとどまらず、金やプラチナなどの貴金属類や金券、中古携帯電話などと豊富で、子供から主婦、中高年に至る幅広い客層をつかんでいる。
リサイクルショップの市場規模は、船井総合研究所の試算によると足元で約6000億円、5~10年のうちに1兆円前後になると予想している。ただ、競合が多いのも事実だ。
このため同社では、無料で遊べる長時間滞在型とすることで競合他社との差別化を図り、既存店の改装も含め、同サービスを提供する店舗数を早期に拡大していく方針だ。
「フジサンケイビジネスアイ」